デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

自分の気持ちは自分のために。 その着せ替え人形は恋をする ♯1

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『そんなにその人になりたいんですね』

『うん! だって滅茶苦茶尊いんだもん。「聖♡ヌルヌル女学園お嬢様は恥辱倶楽部ハレンチミラクルライフ2」の黒江雫たん!』

『なんですって?』

初めて自分の好きなものを褒めてくれたのは、好きなものを好きと言えるちょっと変わったコスプレギャルでした。

「その着せ替え人形は恋をする/第1話・自分とは真逆の世界で生きている人」(2022年1月8日深夜TOKYO MX放送/篠原啓輔演出)

五条 新菜(ごじょう わかな)、高校1年生。幼少期に雛人形職人のじいちゃんが作った人形の顔に心奪われ、雛人形の顔を作る職人「頭師(かしらし)」を目指す事に。

しかし、それは同年代の人間の趣味嗜好とは決して交わる事のない孤高の目標。

日夜修行に打ち込み、目覚めと共に雛人形(の頭)と会話する高校生男子に友達のできるはずもなく…。

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教室では勿論ぼっち。

己を殺して背景に溶け込む五条。その上空に人影が…。

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親方!右上空から女の子が!


いやいや、バク転とかムーンサルトに失敗してもこんなに飛ばないから(原作では友人がぶつかってコケた程度)。ヒロインの登場の仕方としてはインパクト絶大ですが。

彼女は喜多川 海夢(きたがわ まりん)。好きなものを隠さず好きと言える(そして周りに受け入れられている)自分とは真逆の世界で生きている人。

放課後、掃除当番を押し付けられた五条に海夢が苦言。

『嫌なのになんでも言う事聞くって違くない? てか自分のために絶対しちゃ駄目でしょ。自分の気持ちは自分のために言わなきゃ駄目だよ』

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数日後、年代物の足踏みミシンが就労放棄したため、学校の被服実習室の電動ミシンで科学と文明の力を享受する五条(産業革命だ!)。

そこに入って来たのは海夢。

色々ヤバい所(持ち込んだ雛頭に話しかけていたりとか)見られて、始まってもいない高校生活の終焉を覚悟した五条ですが返って来たのは羨望と称賛。

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『すっごーーい!ごじょー君ミシンできる人なの!?』

しかも、五条が持っていた雛頭を見て『わー…めっちゃキレーじゃん…っ!』

初めて褒めてもらった。自分の好きなものを初めて…。

『このお雛様ごじょー君が作ったの?』

『あ、いえ違います。これはじいちゃんが作ったもので…。俺はまだ服作るぐらいしか』

『…服…作れんの? マジ?』

海夢の趣味はコスプレ。推しキャラとの同一化はコスプレイヤーの憧れにして本懐。

が、しかし、海夢には「裁縫能力、いやそれ以前の知識」が壊滅的に欠けているという致命的弱点が。

海夢お手製のコスプレ衣装に条件反射的に駄目出しをする五条。

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『何で裏地ないんですか!? 返し縫いも全然してないしシワになってる!! あ!!下糸ないじゃないですか!! これじゃ縫った事になりませんよ!!』

タコ殴り&滅多斬り。言い過ぎに気づいて土下座する五条に海夢はコスプレ衣装づくりを懇願。

その申し出を受ける五条。

自分とは真逆の世界で生きている人との約束。

ただひとつ想定外だったのは海夢の推しキャラが18禁凌辱系エロゲーの登場人物だった事ですが、まあ些細な事ですよ、んな事ぁ。

五条くんの高校生活が今スタートしました。

 

 

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★本日1月10日はウォルター・ヒル監督(1942~)の誕生日(おめでとうございます!)

昨年は「ダブルボーダー」「ウォリアーズDC版」という男汁まき散らしの2本をご紹介しましたが今年はアメリカを感じるこの2本立てで。