デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

AVみたいな綺麗な人。 ハコヅメ~交番女子の逆襲~ ♯1

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『いや~こんな綺麗な方が上司だなんて。ほら婦警さんってもっとこう熊みたいな感じだと思ってたんで。AVみたいな綺麗な人もいるんですねぇ』

『お父ちゃん。いいかげんにしないと警棒で頭叩き割るよ?』

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AVみたいな綺麗な人…斬新な誉め言葉です(さすがアダルトサイトの架空請求詐欺に引っかかる人だけのことはあります)。

しかしこの「AVみたいに綺麗な人」…藤聖子(どう読んでも芸名やん)巡査部長、アニメでは描かれませんでしたが、原作では登場時にM男歓喜のピンヒール履いています。

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当たらずと言えど遠からず、な賛辞だったのでは。

「ハコヅメ~交番女子の逆襲~/第1話・アンボックス&サンドバック」(2022年1月5日深夜TOTYO MX放送/佐藤雄三監督)

ブラック企業勤めの父親から「公務員だ!お前は安定した公務員になるんだ!」と虎の穴みたいな事を言われ、何の大義も無く公務員試験を受けまくり落ちまくり、唯一合格した警察官になった川合麻依。

配属された町山交番では、犯罪者(道交法違反者)はもとより、道行く一般人からも「ゴキブリ!」「税金泥棒!」と罵られ蔑まれ…。

特車二課・太田なら『何だとこの野郎!納税者だと優しくしてやりゃつけあがりやがって!』と思わず腰に手が伸びてしまう所でしょう。

《こんなに激務で嫌われ者と知ってたら絶対警察官なんてなってない!》

覚悟の辞表を握りしめ、出すぞ今日こそ、そして明日から第二の人生を!

そんな川合の前に現れたのが新任の指導員。聞けば刑事課のエースと目されていながら、後輩刑事へのパワハラでハコ(交番)に飛ばされてきたと言う。

それが「AVみたいな綺麗な人」藤聖子巡査部長。

パワハラというワードに怯み、一旦「辞表」をしまって一緒にパトロールに出ましたが…。

垣間見た藤さんの性格は

  1. 観察眼鋭く(いきなりの職質で前科13犯、やった空き巣は80件以上の大泥棒逮捕)
  2. 懐柔力強く(取り調べられ経験豊富な大泥棒を川合の即席教育係に仕立て上げ)
  3. 子供が嫌い(そもそも子どもが好きなんて優しくてまともな女が警察官になるわけないじゃないですか!)
  4. 警察官募集のパンフレットの世界観が大嫌い。

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そして勤務中は黒い本心がダダ漏れ

交通取り締まりで一時停止違反のバイクを停めたら、メットの中は滅茶善人そうな高齢者。

恐縮して頭を下げ続けるご婦人にも切らねばならない切符の理不尽さに悶え、パトカーにヘッドバットかます川合。

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『川合、自分責めるのに公用車使わない』


公務は公務と割り切っているかに見えた藤さんですが…

『チッ。次こそクソ野郎来い。ったく(ピーピーピー)

花札やってんじゃないんだから(笑)。

『こ…怖っ!いつもそんなこと言ってたんですか!?』

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『いいじゃん!警察官だって人間なんだから!せめて気持ちよく切符切りたい!』

クソ野郎が来た時の藤部長の歪んだ笑顔が素敵過ぎ。

基本、日常系お仕事コメディなのですが、結構ためになる話(小学生の「なぜルールは守らないといけないのか」という質問に対する答えとか)もあって硬軟織り交ぜた構成は好感が持てます。

ふと、「パトレイバー」の野明と熊耳さんがレイバーにも指揮車にも乗らず、交番勤務をしていたらこんな感じになったのでは、と思いました。

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アレンジが好評だったドラマ版は未見。アニメ版は原作忠実路線ですね。原作初期の頃の画力不足なところがいい感じに補われてこれはこれで良いのではないかと思います。

 

★実写で婦警さんと言えば、こんなのもありましたね。

 

 

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追悼:ピーター・ボグダノビッチ

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ピーター・ボグダノビッチ監督がお亡くなりになりました。

1月6日。ロサンゼルスの自宅にて。82歳。

本日は師匠の無茶振りに応えたデビュー作を。

ご冥福をお祈りいたします。