綺麗どころの女生徒から次々ラブレターを貰ってホクホクの面堂。
ラムの情愛を一身に受けるあたる。
男子生徒にとってはどちらも天敵。特に面堂。
面堂のプライドを粉砕する方法はないものか。しかし、アホは滅多な事では傷つかない。
よし、アホにはアホ。アホを以てアホを制す。
あたるにニセラブレターをぶつけて面堂の嫉妬心を煽ってあわよくば共倒れを。
ラブレターの差出人は組野おと子(勿論架空の人物)。浮かれまくるあたるに「そんな酔狂な女がいるわけない」と言う面堂。じゃあ賭けようぜ。
おと子が実在すればあたるの勝ち(掛け金1万円←面堂にとってははした金以下)。
実在しなければ面倒の勝ち。クラス委員長の座を明け渡してもらう。
これは男子生徒にとっては想定外藪蛇。面堂のクラス委員長立候補時の公約は「遅刻者の一斉取り締まり」「クラス専用の懲戒室を設置しての遅刻者処罰」。独裁専制君主制です。
マズイ…何としても組野おと子には実在してもらわなくては…。
と、ここまで来てようやく気付く(遅い、遅すぎる!)。
あーこれ「ときめきの聖夜」のオリジナルか。
「うる星やつら/第5話・愛と闘魂のグローブ|君待てども…」(2022年11月10日深夜フジテレビ放送/常岡修吾演出)
Aパート「愛と闘魂のグローブ」はサクラの友引高校赴任エピ。Bパート「君待てども…」が「ときめきの聖夜」のオリジナル。
「ときめきの聖夜」(旧作第10話・押井守監督)と「君待てども…」は、組野おと子によるニセラブレターという建て付けとオチだけは被っていますが、あとは別物。
新旧ニセラブレター。旧作は何と英文!
そもそも「ときめきの聖夜」は面堂登場以前のエピなので、面堂は出て来ません。
ラムを邪険にしているくせに、「愛されていること」を勝ち誇るあたるにメガネがキレまくるのが事の発端。
『大体からしてだなぁ~、俺達の憧れのあの天使のようなラムちゃんが、何故よりにもよって先天的突発性獣欲魔のあたるに惚れなきゃならんのだぁ~!
俺にはどうしてもラムちゃんの気持ちが分からん! あのアホのあたるの何処に惚れたのだ!
顔は最悪、頭は最低、性格極悪、経済力ゼロ! 世の中間違っとる!
俺には絶対こんな不合理は許せんぞ! 制裁だ、天誅だ、折檻(←長らく聞き取り不能としておりましたが、複数の方から正解のご指摘を頂きました)だ!
あたるの野郎に正義の鉄槌を加えてやる!
ラムちゃんの目を覚まさせてやる! あたるの魔の手から解放してやるんだ!
その為にはどんな卑劣な行為も全て正当化されねばならんのだ! 見てろぉ~!!
おっちゃん、コロッケ!!』
ジャンクフードをドカ喰いしながら怒りの鉄拳を突き上げるメガネ。
多分、この回からメガネ、と言うか千葉繁さんがフルスロットルになり、押井さんがそれに乗っかり、結果原作者がガチギレするという事態になったような気がします。
メガネの怒りは留まることを知らず、計画もスケールアップ。
最初から組野おと子に仏滅女学院ナンバー3を配し、初対面であたるを振って公衆の面前で完膚なきまでに恥をかかせる計画。
更に、偶然を装って居合わせた先勝高校プロレス研究会代表、ミスター・ヒポポタマスが野獣となったあたるに制裁を加え、その様子を赤口高校新聞部部長が記事にして≪あたる撲滅キャンペーン≫を展開するという念の入れよう。
トドメにあたるを煽って、目の前でおと子とキスできるか否かに全財産賭けるギャンブルを持ち掛け、完全に丸裸にした上でラムに愛想を尽かしてもらうという段取り。
その企みを知ったラムは『流石に今回は助ける気にならないっちゃ』と静観をきめこみますが、やはりあたるを見捨てられず。
『ダーリンを馬鹿にするとうちが許さないっちゃ』
おと子を待ち伏せしてシバいて入れ替わり、待ち合わせの喫茶店へ。
その後のオチは新作と一緒。
旧作の設定はクリスマス。手編みのマフラーのプレゼント、雪といった背景効果もあって、しっとりとしたラヴストーリーらしい締めになっていました。
新作は原作の通りとは言え、やはりメガネの暴走がないのは寂しいなあ。
来週はいよいよ弁天の出番か…。
★本日11月13日はジェラルド・バトラー(1969~)の誕生日(おめでとうございます!)
未だラッセル・クロウのバッタもんという印象が払拭できない(少なくとも私のなかでは)バトラーさんの比較的最近作をふたつほど。