『逆光、オススメです』
伝説のレイヤー、ジュジュ(本名・乾紗寿叶 いぬいさじゅな←17歳だが見た目中学生)のコスプレ写真を撮影・編集・アップしていたのは中学生と言う概念に蹴手繰(けたぐ)りかますダイナマイトボディ(でも顔はほわほわ)の妹・心寿でした。
技術の違いはカメラの違い。携帯カメラとは一線を画する「一眼レフ」の魔力。
一眼レフならではのテクニックの一端を心寿に伝授してもらう五条と海夢。
心寿が伝える「あしたのために その1」は「逆光」。
『天気がいい日は眩しくて目が開けられないので、だから、逆光にするんです。肌の質感も綺麗に見えますし(中略)ウィッグが透けてキラキラするし、艶も綺麗に出るし』
おっと、この訓えは光画部OBたわばさん(@究極超人あ~る)の至言
「逆光は勝利」!
ではないですか! フィルムからデジタルになっても写真撮影の基本は同じ。
春風高校光画部の訓えは正しかった。
「その着せ替え人形は恋をする/第8話・逆光、オススメです」(2022年2月26日深夜TOKYO MX放送/川上雄介演出)
たわばさんの訓えには続きがあります。それは
- 世はなべて三分の一
- ピーカン不許可
- 頭上の余白は敵だ
最初の「世はなべて三分の一」がちっと分かりにくいですが、「画面を縦横ともに三分割して、その上に被写体を置くと画面が締まって見える」という事です。
これを意識して今回の構図を眺めてみると…
おお!
そして「逆光」「三分の一」を同時に実現したのがタイトル画像。
実は今回、絵コンテ、演出、作画監督、総作画監督すべての担当がいつもと違う初参加の方々。
気のせいか色んな所が一味も二味も違う気がいたします。
お話の方は前半が「烈」合わせの撮影スタジオとなる廃病院見学(ロケハン)。
ここで廃病院にビビりまくるジュジュが「例えニセモノでもいいから魔法少女になるという夢を叶えたい」という心情を五条に吐露
→そんな大事な衣装を何故、自分の様な素人に?と問う五条に「それはあなたの衣装を纏った海夢に嫉妬すると同時にあなたの衣装に一目惚れしたからよ」(大意)と答えるジュジュ
→「一目惚れ」がじいちゃんに聞いた(雛人形職人にとっての)最高の誉め言葉とシンクロ、感極まって涙腺決壊する五条(絵面は完全にホラー)
→ジュジュの手を取って感謝の言葉を伝えるも、男性免疫ゼロのジュジュが気絶。
という「いい話」と「ギャグ」のサンドイッチ・ラリアットが実にいい感じでした。
「魔法少女にはなれない」=「私の夢は永遠に叶わない」という絶望が、コスプレによって救われるシーン。ウィンドウに飾られた魔法少女の衣装とガラスに映るジュジュの姿が重なるカットには唸りました。
どーでもいい話ですが、男子の場合「ドラゴンという職業はなかった」という失望をジュジュの落胆に重ねるとその心情が理解できるかもしれません。
後半は、テスト終わったし7月だし、という(コスプレと全く関係の無い)理由で五条を海(七里ヶ浜だ!)に引っ張って来た海夢(行動力!)
再現力!…と
非再現力!
浅瀬に佇む五条を後方から携帯で捉えて逆光の素晴らしさを確認、と話を繋げて、直後、五条がワカメに足をとられて全身水没。
決して「いい話」では終わらせない匙加減が素晴らしい。
ところで携帯のズームってそんなに効いたっけ?
おまけ
原作には描写のなかった乾家の庭。お嬢様やないかい!
★本日2月28日はアリ・ラーター(1976~)の誕生日(おめでとうございます!)
「ファイナル・デスティネーション」シリーズと「バイオハザード」シリーズを股にかけていながら今一つ存在感が薄いんですよねぇ…。