デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

勝とうぜ…。 可愛いだけじゃない式守さん ♯10

『私らしくもない。勝とうだなんて。あいつらもびっくりしてたしな。でも仕方ねえだろ。思っちまったんだ。あんだけ練習して、もし勝てたら、お前たちがどんな顔で笑うのか』

問わず語らずの距離感を保っている本作に於いて登場人物がストレートに心情を吐露する(言葉で説明する)のは結構レア。

それを担ったのが式守さんでも狼谷さんでもなく八満というのが嬉しいじゃありませんか。

「可愛いだけじゃない式守さん/♯10・勝ちたい気持ち」(2022年6月25日深夜テレビ朝日放送/原口浩、守田芸成、竹内崇演出)

文化祭の次は体育祭。出場希望者ゼロの「男女混合リレー」はくじ引きで選手を決めることに。

和泉くんがアタリを引くのは予定調和と言うか最早「宇宙の法則」。

女子で見事アタリを引き当てたのが(『リレーは嫌だ、リレーは嫌だ』と呪文のように繰り返していた完全インドア派の)八満。

ショックで溶解人間と化す八満でした。

ここに他の女子が引いた当たりくじをこそっと自分のハズレくじと交換した式守さんが加わり、ならばと立候補した犬束、猫崎を交えた「いつもの」5人でリレーメンバー決定。

ポイントは逆加速装置のついた八満とコケる事が神に約束されている和泉を残りの3人がどこまでカバーできるか。

せめてバトンパスだけでも上手くできるよう、居残り練習に励む和泉と八満。

やる気のないところを無理に付き合わせてごめんね、と謝る和泉に八満は、

『安心しろ。いつだって無気力だ。そもそも私はただ走ったって何も得るものがないから嫌いなんだ。でも今回は、お前たちが喜ぶから、疲れたってそれは私のためだ』


今日の八満はちょっとハードボイルドです。

そして迎えた本番。体育祭当日。

前半で体力使い果たしトップは逃したものの、女子玉入れで驚異の投擲術(ゆっくり拾い集めた玉を同時に投げ上げ、全玉カゴに収める)を披露した八満。


いよいよ男女混合リレー。つい口をついて出てしまった意外な言葉。

『勝とうぜ』


第一走者・猫崎がトップでバトンを第二走者・八満へ。

走り出した八満は即座にエネルギーも脳内酸素も使い果たしてホワイトアウト


今動かしているのは右足?左足?


気がつけば地面。まだ左手はバトンを握りしめている。まとまらない意識。でも遠くに和泉の声が。

『八満さん、あとちょっと!』

そう、あとちょっと。立つ。走る。渡して託す。

『和泉…頼む!』

『任せて!』


第3走者・和泉。例外なぞ認めん!とばかりに発動する不幸スイッチ(片方の靴が脱げる)を力業で押し返す(もう片方の靴も脱ぎ飛ばして転倒阻止)。

順位はあげられなかったけど、心配ない。だって目の前には守護天使が控えているのだから。

第4走者・式守。最下位からぶっこ抜きで2位。1位と僅差でアンカーへ。

アンカー・犬束。式守の殺気溢るる熱視(死)線に「1位を取らないと殺やれる!」と感じた犬束が見事1位でゴールイン。

『本当に勝っちまった…』

1位のフラッグポールを持つ八満。その表情はこれまで見た事の無い…。

『ありがと…楽しかった』


完全に主役(「Angel Beats」なら思わず成仏してしまうシチュですが)。八満押しには感無量な回でした。

おまけ

八満はパンダに乗った探偵にも楽器にもなる事ができるのだ(♯09「無邪気さと不器用さ」より)。



 

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★本日6月28日は水野美紀様(1974~)の誕生日(おめでとうございます!)

日本のアクション女優の歴史を変え得る逸材でしたが、あまりそっち方面のお声は掛からなかったようで(無念!)。