『一生懸命頑張って、勝てないなら仕方ないじゃん。それじゃ駄目なわけ?』
運動会目前。西村さんを庇って骨折した高田くんがリレーに出場できるかは当日まで分からない。
見ているだけはもう嫌だ、自分も参加したい。走りたい。でも、どんなに練習してもタイムは上がらない。
これじゃチームの足を引っ張るだけだ。万策尽きた西村さんが無理を承知で直談判。
『笠原さんに走って欲しい』
「事情を知らない転校生がグイグイくる。/第9話・走れ!叫べ!運動会」(2023年6月4日TOKYO MX放送/安江菜津美演出)
利き腕ギプスで食事もままならぬ高田くん。迷わず西村さんが「はい、あ~ん」。
甘いやり取りに安達さん思わず、
『夫婦やん?』
運動会の最終種目「チーム対抗リレー」。主力想定だった高田くんの出場が未定+代替戦力未確保でクラス担任困り顔。
女子は「5年生にもなって必死に頑張るとか子供っぽいし」「全校の前で恥かきたくないし」で全員やる気なし。
「私、走ります」と言いたいけど言えない西村さん。思い切って(低学年の頃はトップクラスの速さを誇っていたと言う)笠原さんに出場を懇願。
そこまで言うなら何故自分で走らないの?という笠原さんのド正論。
『走りたいよ! でも、私じゃダメなの。頑張ったけど、どれだけ練習しても、私は足が遅いから』
『一生懸命頑張って、勝てないなら仕方ないじゃん。それじゃ駄目なわけ?』
畳みかける笠原ド正論。更に、
『高田くんのために私を走らせようって言うの? …答えて!』
ここは笠原さんもただで折れるわけにはいかないところ。
しかし西村さんも一歩も引かず。
『ああ、頑固な根暗は質が悪いわね。もし高田くんが走ることになったら、私が高田くんにバトンを渡す事になるけど? いいのね? 私が高田くんと良い感じになっちゃうかもだけど、それでもいいのね?』
勝負ネタをぶつける笠原さんですが、西村さん意に介さず。
『うん!すっごくいいと思うよ!』
(いいんかい!?)
根負け。笠原さんの揺さぶりに一切動じなかったのは天然のなせる技か、はたまた正妻の余裕なのか。
『ありがとう!ありがとう笠原さん!』
『あーもう、暑苦しい、恥ずかしい!今年だけだからね!』
練習でぶっちぎりの速さを魅せる笠原さん。思わず周りから
『復活だ!疾風(はやて)の笠原、復活だ!』
『うるせー! その名前で呼ばないで!』
照れ怒る笠原さんですが、高田くんの反応は勿論、
『は、ハヤテ!? かっけー!』
そして迎えた本番当日。
高田くんは病院で診察結果待ち。高田代行となった北川君は緊張のあまりお茶ガブ飲みして腹具合が怪しい(見事すぎるフラグ)。
お昼を挟んで高田くん不在のままリレースタート。
出るからには勝ちたい。しかし、笠原さんら赤組はドンケツ最下位。アンカー北川は腹を押さえて身動き能わず。
最後にバトンを受けた笠原さんが走る。西村さんが叫ぶ。
『が…頑張れ!笠原さん!』
初めての応援。西村さんなりの参加の仕方。
声援受けた笠原さんが一気にまくって3人ごぼう抜きしましたがトップは奪えず。肝心の北川君はどう見ても戦力外。このままでは…。
諦めかけた笠原さんの視界に映ったアンカーは北川くんではなく…。
『笠原さん!僕に任せて!』
高田くん降臨。これ以上ないヒーロー登場シーン。
何故かインペリテリの「スタンド・イン・ライン」の一節が浮かんだので合わせてみました。
※今回タイトルボツ画像。
バトンは笠原さんから高田くんへ。
絶望的な1位との差を一気に詰めて優勝ゴール。
『お待たせ、西村さん』『うん』
高田くんへの称賛と優勝アナウンスを背中で聞く笠原さん。
『私も頑張ったんだけどな…』
その背中に抱き着く西村さん。
『ありがとう!本気で走ってくれて、本当にありがとう!』
そこにまとめてフライング・ハグ・アタックをかます高田くん。
右手に死神、左手に疾風。
大団円の運動会でした(多分最大の収穫は、最後、西村さんに抱き着かれた笠原さんが「死神の呪い」という言葉を飲み込んだ事)。
★最近の作品からリレー会を。
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★本日6月6日は「かえるの日」🐸
カエルの鳴き声「ケロ(6)ケロ(6)」の語呂合わせで、1998年に「かえる友の会」会員でライトノベル作家の矢島さらが制定したんだそうです。
カエルと言えば、この1本で決まりでしょう。
あーあとダミアン・ソーンさん、お誕生日おめでとうございます。