作中に一瞬たりとも登場しないキャラがメインビジュアルになる、キャッチコピーが内容と無縁、凶器が配給会社オリジナルいう詐欺宣伝はホラー映画ではよくある話(例「バーニング」「サランドラ」)ではありますが、本作もその流れを汲む1本。
「ラバーボーイ」(2014年/トレヴァー・マシューズ、ジョン・ノーツ監督)
何十台もの監視カメラが設置されたお屋敷に暮らす美女たちの私生活を覗き見できるポルノ・サイト「ガールハウス(原題)」。
学費と母親への仕送りのため、ここで働くことにした女子大生カイリー(アリ・コブリン)。デビュー早々人気を博し、サイトの常連「ラバーボーイ(イケメンくん)」に執心された、までは良かったですが…。
カイリーに送った(←本来はシステム上不可能)自分の顔写真が笑いものにされている(ガールハウスの同僚が勝手にプリントアウトして掲示板に貼り出した)と知ったラバーボーイが、突破不能なセキュリティを次々解除して「ガールハウス」の場所を特定、リアルお礼参りに参上。
丑三つの正装はウィッグ付き女性型ラバーマスクに作業服&工具箱という「デビルズゾーン」+「ツールボックス・マーダー」なのですが、DVDジャケはそんな事知った事かとばかりに俺ジナル魂炸裂のマスクがどーん!
出てきません、こんな奴。
キャッチも「出会ったら死」「インターネットに“奴”は現れる」という激しいミスリーディング。
きっかけはインターネットのポルノサイトですし、リアルに出会えば殺されるので、嘘八百ではないのですが、このキャッチだとネットにアクセスする事で殺人鬼を召還してしまうオカルト系サイコホラーを想像してしまいます。
実際のラバーボーイはこんな👇感じ。
殺人ライブ配信を観ていたカイリーの幼馴染とその友人が救援の手立てを考えるという建て付けは「ハロウィン レザレクション」ですね(勿論、出来は「ハロウィン」の方が遥かに上)。
本作最大の難点は、ラバーボーイのお礼参りが始まるまでに尺の半分を使っている事。
正直、ガールハウスのお姉さんたちの生活とか興味ないし、とっとと殺戮祭に入って欲しいのに実にもどかしい。
このマイナスを補って余りあるのが冒頭ラバーボーイ幼少期「殺戮の目覚め」(勝手にチャプター・タイトルつけました)。
自分を追いかけ回し、股間を晒させた挙句に嘲笑した近所の美少女(これが何とキャムレン・ビコンドヴァでございますよ)を橋の手前で待ち伏せ。
チャリのスポークに棒切れ突っ込んで転倒(前方一回転顔面落ち)させ、チャリを川に投げ捨てると血まみれで「許して」と懇願する彼女を川に蹴落とす非道振り。
ロブ・ゾンビ版「ハロウィン」でマイケル・マイヤーズがいじめっ子待ち伏せ、棒で不意打ち、許しを請ういじめっ子をタコ殴り撲殺するあのシーンに匹敵する素晴らしさです。
この勢いでパンパン進んでくれたらかなりいい線いったと思うのですが、残念無念でございました。
★嘘八百宣伝の金字塔と言えば…
★ラバーマスクの殺人鬼と言えば…
★工具箱持った殺人鬼と言えば…
★ネット中継で美女の危機を知ったボンクラ二人組と言えば…
★本日7月27日は「スイカの日」
7/27=「夏の綱」って事でスイカの縞模様に引っかけた日付らしいのですが、苦しくねえかスイカ生産者グループ。
スイカと言えばスイカップ&スイカ割り。夏の海回・水着回では必ずセットになっている風物詩です。
最近のアニメからスイカ割りエピをひとつふたつみっつ。