ニューヨークシティの古びたフレンチレストランで発見された女の死体。
女は難病の息子の手術費用を賄うためエルサルバドルから出稼ぎに来ていたシングルマザー、ルーデス(マルタ・ミランス)。
何故、彼女は死体になる破目になったのか。
「サンセット大通り」に代表される死体逆算ミステリー(ホラーではない)。
「貪る。」(2012年/グレッグ・オリヴァー監督)
もの凄い邦題をつけたものですが、原題が「DEVOURED」なのでそのまんまです。
分かりやすいタイトルをつけるなら「壊れゆく女」でしょうか。
ルーデスのお仕事はレストランのお掃除片付けその他雑用。女性がひとりでこなすにはなかなかにハードなお仕事です。
店の女性オーナーからはパワハラを、そのオーナーとデキているイケメンシェフからはセクハラを、スケベな客からはblow jobの強要を。
英語は話せますが話し相手はなく、息子との電話だけが心の支え。
孤独と不安と怒りと差別。
仕事の報酬は日払い現金取っ払い。中身は見事に1ドル紙幣。
それに引き換え店の客。ニューヨーカーって財布持たないんですか? 皆して無造作にポケットから札束を(こっちは20ドル紙幣)。
不条理なまでの落差。やがて彼女の周りで不可解な現象が。
演出がホラータッチなので、心霊現象のようにも見えますが果たして…。
雰囲気だけで言うなら「恐怖の足跡」が近いかも。
起承転結の「転」を端折って、最後の最後にオチを見せて終わる展開は潔くて良いと思います。
おまけ
絶対わざとだと思いますが、高級料理の高級食材のクローズアップは恐ろしくグロ。
こんな気色の悪いもの美味そうに喰って札びら切ってくニューヨーカーに対するそこはかとない悪意が感じられて好感度うなぎ登りです。
★ご参考
雰囲気が近いものだと
展開が近しいものだと
★本日8月8日はダスティン・ホフマン(1937~)の誕生日(おめでとうございます!)
ホフマンと言えば「デカっ鼻」。その容姿が役作りに反映された(と思える)作品が、