売れない(正確には売り出してもいない)3人組アマチュア・パンクバンド「DUR(ダー)」。
家賃滞納で立ち退き要請。借金も溜まる一方。
スコーン焼きのバイトじゃ状況は変えられない。金とチャンスを掴むにはライブ、そしてツアーだ。
バンドのリーダー、ジュディ(チェット・シーゲル)はバイトを辞めてツアーを決意。
が、出発当日、借金のカタに目の前で車が差し押さえられ(レポマンだ!)。
運良く(?)、バンを提供してドライバーと荷物運びをやってもいいという奇特すぎるおっさんが現れましたが…。
背に腹は代えられず、変わり者(PECKERHEAD。以下ペック)と名乗るこのおっさんの車に乗ってツアー出発! しかし…
「ファイナル・デッド・ツアー」(2020年/マシュー・ジョン・ローレンス監督)
タイトルから「ファイナル・デスティネーション」系か「オブ・ザ・デッド」系かと思いましたが、どっちでもありませんでした。
原題は「UNCLE PECKERHEAD」。ペッカーヘッド叔父さん。
どこがペッカーヘッド(変わり者)なのかと言うと、毎夜0時から30分間(深夜アニメタイムだ)、人喰いモンスターになるんですね。
ツアー初日の強欲興行主を喰ってしまい、事態が発覚。
どうする?いやどうするって殺して喰ったのよ。でも車必要だし。金入ったし(盗ったのかよ)。もうしないって言ってるし。いやいやそういう問題じゃ…。
多数決の結果、今回の事は見なかった事にしてツアー再開。
…というパンクバンドと人喰い叔父さんのロードムービーです。
最初のギグの1曲目が絶叫系だったので、曲は全部そっち方面か、だとしたら出オチだなと思いきや、しっとり系から明るいロックまで結構多彩。
ギターのマックス(MC担当だけど口下手、禿で髭で小太りでゲイ)役のジェフ・リドルは、Five Hundred Bucksというバンドに所属している本物のミュージシャンだそうで。
個人的にはふてくされたようにドラムを叩くメルが良い感じ。
ダラダラ撮らずにサクっと切って、必要な情報は後からダイジェストで、な編集なのでストレスが溜まりません。
一足先に就寝(車中泊)したジュディが目覚めるとメルとマックスが駐車場で血まみれペックに放水中。
『何があったの?』
『ペックがめちゃくちゃ凄かった』
『何が?』
『メタラーが…』
『メタラーがどうしたのよ!?』
ここでテロップ「メタラーに何が起こったか」
メタラーさんはこんな👇事になっていました。夜、特に0時から0時30分の深夜アニメタイムに駐車場で騒いだり脅したりするのはやめましょう。
おお、プレデター!
ペックは守り神か厄ネタか。
ズルズルのグロ描写とほど良い笑いと音楽と。
因みにバンド名「DUR(ダー)」というのは、言い方次第にニュアンスの変わる便利な言葉のようで「勿論そうだよ」という単純肯定から「今更何言ってんの」「当たり前の事聞かないでよ」な意味合いまで使い方色々。
強いて一番近い日本語を当てるなら「あたぼうよ!」(江戸弁ですが)ではないでしょうか。
DVDジャケには《映画批評サイト「ロッテントマト」で驚異の満足度100%を記録!》という文字が躍っていますが本当か?
★本日10月12日は真田広之(1960~)の誕生日(「ブレット・トレイン」ヒットと併せ、おめでとうございます!)。
昨年は「ラッシュアワー3」「らせん」をご紹介しましたが、今年は「何か今と顔違くね?」な若い頃の1本と、個人的には残念無双な仕上がりになってしまった超大作を。
★本日のTV放送【13:00~BSプレミアム/プレミアムシネマ】
※昨年12月6日にBSプレミアム、9月26日、5月16日にBS日テレ、一昨年7月22日、4月29日にBSテレ東、その前の年は12月10日にテレビ東京が放送。いくらなんでもヘヴィロテ過ぎやしませんか。2回放送したら次の局に回す決まりなの?