『行ってください、吹雪さん。私は大和型戦艦一番艦です。あの程度の戦力風情にやられたりはしません』
『必ず戻ります。あそこに何があるのか、誰がいるのか、確かめて』
『武運長久を!』
11月から待望の新作『「艦これ」いつかあの海で』の放送が始まります。
ちょっと気分をアゲる意味で劇場版を。
「劇場版 艦これ(艦隊これくしょん)」(2016年/草川啓造監督)
…と思ったのですが、何と、5年前にレビュー済でした(な、なんだってー!?)。
しかも、再見し終わって尚、一度観ている事に気がつかないと言う…。
大丈夫か、俺の脳。たった5年で記憶の襞が崩落したか。
それとも忘れてしまうくらい印象薄い作品だったのか「劇場版 艦これ」。
レビュー再読したら感想に変化はなかったので、(ちょっとだけ手を加えて)再掲しておきます(手抜きに非ず)。
ついでなので(振り返りも兼ねて)前シリーズの復習も。
んで11月3日(木)24:30より放送開始となる『「艦これ」いつかあの海で』。
シリーズ構成・脚本は「劇場版 艦これ」の脚本を花田十輝と連名執筆した田中謙介(ちょっと不安)。
監督は「宇崎ちゃんは遊びたい」シリーズの三浦和也。
英語タイトルは「Fleet Girls Collection "KanColle" 1944 -I・TSU・KA・A・NO・U・MI・DE-」
1944というのはレイテ沖海戦を示唆しているようです。
主役は吹雪ではなく駆逐艦・時雨。そして、扶桑、山城、最上、阿武隈(特報には山雲、朝雲、満潮の名前もあります)。
扶桑は扶桑型戦艦の一番艦、日本独自の設計による初の超弩級(1906年に進水したイギリス海軍のドレッドノートの規模を超える)戦艦。
戦史では扶桑はレイテ沖海戦でアメリカ軍の駆逐艦隊の放った魚雷27本の内1本が右舷に命中、第三・第四砲塔の弾火薬庫が誘爆した事で大爆発、船体は真っ二つに割れ海の底に沈みました。
扶桑と同型の山城、駆逐艦・山雲、朝雲、満潮も同海戦で轟沈。
航空巡洋艦・最上は魚雷は回避しましたが、直撃弾で3番主砲を破壊され、艦中央部に大火災を引き起こし、最終的には駆逐艦曙の手で雷撃処分されました。
阿武隈は一旦は砲撃を凌いだものの、250kg爆弾の直撃3発、至近4発を喰らい、発射管の魚雷(予備魚雷との証言もあり)が火災により誘爆、艦体に亀裂が生じ重油が流出し、艦首を立てた状態でネグロス島沖に沈みました。
この戦いで時雨を除く全艦が沈没(時雨は8インチ砲弾1発が艦後部に命中し燃料タンクを貫通しましたが不発だったため退避に成功)。
レイテ沖海戦は連合艦隊の残存戦力の全てをつぎ込んだ決死の海上展開でしたが、結果として日本海軍の艦隊戦力が事実上消滅するという大敗北戦でした。
…ってちょっと待て。
主役除いて全滅エンド確定じゃん。明るくなる要素がひとつもないぞ。
せめてそこに至るまでは明るく楽しい話に…それじゃラストの悲壮感が倍加しちまうな。
さて、どうしたものか(いや観ますけどね)。
★本日のTV放送❶【18:54~BSテレ東/シネマクラッシュ】
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