デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【セミに卒塔婆を】ぼっち・ざ・ろっく! 第9話【エスカーに代金を】

ぼっちがギターヒーローに変身して大成功を収めた結束バンドの初ライブ。

この勢いで夏休みはバンドのメンバーで遊ぶぞー!思い出作るぞー!と(遊びに誘われる事を)期待していたぼっちですが、メンバーからの連絡はなく、STARRYでのバイトと練習の日以外は家でゴロゴロというこれまでと何も変わらない生活。

しかも、その様子を妹に観察絵日記で晒されると言う屈辱の上塗り。


理想と現実のギャップに箍(たが)の外れたぼっちは「泣く→急に陽気に→突然サンバを踊り出す」といった奇行に走り、夏休み最終日にはSTARRYの入口階段脇にセミの墓を作り続けるまでに。

セミの墓には卒塔婆まで。よく見ると「ぼっちのなつやすみ」の文字が。


おまえの墓かい!?

ここにきてようやくぼっちの願望に気づいたメンバーが遊びの提案。

『皆で今から海に行こうよ!江の島とか!』

8月31日、ぼっち夏休みの幕が開く。

「ぼっち・ざ・ろっく!/第9話・江の島エスカー」(2022年12月3日深夜TOKYO MX放送/平峯義大演出)

第6話「八景」に続く地元回。江の島と言えば江島神社江島神社と言えば254段(反対側の岩屋洞窟まで足を延ばせば662段、往復1324段)に及ぶ(カラス神父が5回は死ねる)石段。

バイトと練習以外の日(つまり、ぼっちが家から一歩も出ずにゴロゴロしていた日)全てに予定が入っていたアウトドア系社交モンスターの喜多ちゃんはホイホイ駆け上がっていきますが、完全インドア系のぼっち、リョウ、虹夏は青息吐息。

朦朧とする意識の中、ぼっちの視界に飛び込んで来たのは…エスカー!!

『え、エスカレーターで上まで行けるみたいですよ』

江の島エスカー、それは、昭和34年(1959)に登場した国内初の屋外エスカレーター。全4連で全長106m。高低差46mを約4分で踏破する天国への階段。

唯一の難点は「有料である」という事。


今、シーキャンドル(展望灯台)セット券って800円もするのか。昔はもーちっと安かったと思うのですが…。

金欠のリョウは自分のベースと交換で乗せてくれという無謀な交渉をしていましたが、どう考えてもベースの方が高価だろ。

余談ですが、私が川崎の映画街でモギリのバイトをしていた時、「り、リンゴやるからよ、入れてくれよ」と懇願してきたプータローさんがいらっしゃいました。

頭頂部で海眺めて、展望台で景色眺めて、冷房を堪能したら即撤退。

『喜多ちゃん満足したみたいだし降りようか』

『インドア人たちめ!』

ソフトクリーム舐めて一息ついていたら、江の島名物「強奪トンビ」がぼっちのアイスを掠め取り、更に群れでぼっちを総攻撃。

それは、エヴァ弐号機に襲い掛かった量産機の如し。


哀れぼっちはヤムチャポーズでご臨終(原作からの再現力も凄いですが、アニメの方がより原典に近いという力の入れ具合が堪りません)。

※タイトル写真下段右がオリジナルヤムチャ、左は「アフリカのサラリーマン」のオオハシ。

この後、弁天様にお参りして思い出作り終了。恐らくは人生初の友人との遠出は、ギター演奏に使う部位以外使っていない肉体に相当の負荷をかけたようで、2学期初日に全身筋肉痛となったぼっちちゃんでした。

おまけ

リョウが自宅で鑑賞していたホラー映画って「その着せ替え人形は恋をする」最終回で五条くんと海夢が観ていたのと同じ奴ですよね。


こんな所で繋がっていたとは!?

★このホラー映画の詳しい内容はこちら。

 

 

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★本日12月5日はロバート・アルドリッチ監督(1918~1983)の命日。

数ある「男祭り」の中から本日はこの2本を。