芽が出る気配もない脚本家、後がない監督、その監督とヤる事しか考えていない女社長と多分何も考えていないプロデューサー。
金も時間も無い中で利益出すならホラーしかない。
丁度流行りの「なんとか村」みたいないわく付き温泉街を見つけたから早速ロケハン。
そこにはかつて男たちに嬲られ自害した温泉芸者「温泉しかばね芸者」の霊が彷徨っておりました。
「温泉しかばね芸者」(2018年/鳴瀬聖人監督)
村長の昔語りに触発された脚本家・村井実紗(辻凪子)が宿に戻って脚本を書き飛ばすと、書いたシーンそのままに女社長がしかばね芸者に惨殺され…。
あれ、ひょっとして私が書くと現実になる?
マジかよ!? んじゃあいつもあいつもついでにバイト先のクソババアどもも皆まとめてぶち転がしてやる!
筆走り、血糊噴き出し、内臓こぼれ、ゾンビ溢れる…。
良く言えば「サイケ」、有体に言えば「自主映画」。
でもまあ何か勢いはあるし、尺短い(45分)し、これはこれでよいのではないかと。
映画撮影中の惨事ではなく、ロケハン中(つまり役者役の役者も機材スタッフも伴わない人件費最底辺構成)の出来事というのが、貧乏臭さMAXでいい感じ。
ホラーの体を取っていますが、やっている事はコメディ(しかも安い)。
真面目な(怖い)ホラーを期待して観ると肩透かしどころがショルダーアタック喰らう破目になりますのでご注意ください。
ついでなので「温泉〇〇芸者」について少しだけ。
温泉芸者というのは、全国各地の温泉場で芸者やマッサージ嬢として客室に入り込み、自由恋愛という名目で正当化された脱法行為を行った娼婦さんたちを指します(背景には1957年の売春防止法施行と1958年の赤線廃止が)。
映画としては、1963年の大映作品「温泉芸者」が最初になりますが、その名前を確立したのは1968年の「温泉あんま芸者」から始まる東映の「温泉芸者シリーズ」。
「温泉あんま芸者」(石井輝男監督)、「温泉ポン引き女中」(荒井美三雄監督)、「温泉こんにゃく芸者」(中島貞夫監督)、「温泉みみず芸者」(鈴木則文監督)、「温泉スッポン芸者」(鈴木則文監督)「温泉おさな芸者」(鷹森立一監督)、番外編として「東京ふんどし芸者」(野田幸男監督)の計7本が作られました。
特にシリーズ4作目の「温泉みみず芸者」(公開前のタイトルは「温泉タコツボ芸者」)は、日本で初めて"ポルノ"という言葉が使われた作品として、そして日本初のポルノ女優・池玲子(当時16歳。履歴書捏造大作戦)のデビュー作として付箋を付けておきたい作品です。
温泉芸者もポルノも何となく「起源はにっかつ」な思い込みがありましたが、どちらも生みの親(一部育ての親)は東映だったんですねえ。
ポスター展
★ホラー映画撮影中の怪異と言えば…
※絶対「カメラをなんちゃら」とか言わない。
★泊りたくない温泉村と言えば…
☜ランキング投票です。あんま芸者にあちこちほぐしてもらいたい人はワンポチを。
★本日2月23日は「富士山の日」
「山の展望と地図のフォーラム(FYAMAP)」が1996年(平成4年)1月に、山梨県河口湖町が2001年(平成13年)12月に、静岡県が2009年(平成21年)12月に制定しました。
分かりやすいにも程がある語呂合わせですからね、喰いついたところも多かったようです。
富士山と言えば樹海!
世界的にも立派なジャンルとして確立している樹海モノ。
今回は樹海が舞台の作品をずずすいっと。
いきなりBOMB!で恐縮ですが、
トンデモ日本!
ゾンビだって湧いて来る!
樹海にだって出会いはある。
ついでにこんなのも如何?
★本日のTV放送【13:55~テレビ東京/午後のロードショー】