『なんでやろ? 勝ちたか! 今までで一番』
白石亜実に引退を思いとどまらせ、退部した姫野紬に復帰を決意させ、初めて手を合わせた博多南高校・湊幸(みなと さち)に勝利を渇望させる。
天衣無縫。園田未知の笑顔が眠った闘気を呼び覚ます。
「もういっぽん!/第7話・秘密兵器先輩|第8話・夢の続き」(2023年2月19日26日深夜テレビ東京放送/荻原健監督)
剣道部から転部してきた南雲安奈を迎えて4人となった青葉西高柔道部。
次の大会は1ヶ月後の金鷲旗。予選無しのオープントーナメントですが、必要な登録メンバーは5名(足りない分は不戦敗)。
経験不足で出場見送りの南雲をエントリーに加えても1人足りない。
唯一のアテは未知らが入って来る前、柔道部に在籍していた3年の姫野紬(ひめのつむぎ)。先輩の卒業で部員1名になり退部したため、柔道部は一時廃部に。
『もう柔道はいいよ』と言っていた姫野でしたが、未知たちの練習風景を見て何かが…。
『よくやるよ。しんどいし、痛いし、暑いし、きついのに。私は別にいいよ、このままで。今からまたやるとしても、もう1ヶ月しかないし。ってかバイト楽しいし、折角髪も綺麗に伸びたし。私はもう…』
背中を押したのは中学の同窓、インターハイ予選を最後に引退する予定を撤回した霞ヶ丘高校柔道部・白石亜実の一言。
『あたしね、あの子(未知)のおかげで、もっと柔道好きになっちゃったみたい』
私も、この子たちとなら…。
『…私、今のままでもいい。だけど、まだ1ヶ月ある。私も、もう一度!』
この台詞、夏目先生の試合中の激『もういっかい!姫野、あと10秒ある。諦めるな!』、練習中の掛け声『まだ時間あるよ!あと20秒!』に呼応しています。上手いなぁ。
遂に5名。そして迎えた金鷲旗。悩ましいのは試合順。
勝ち抜き戦なので先鋒が5人抜きして勝敗を決めることも。しかも、一度決めたポジションは変更不能が金鷲旗ルール。
誰を先鋒に、そして次鋒、中堅、副将は…。
このポジション決めで思い出すのが、昭和59年4月19日の新日本プロレス蔵前大会。
柔道方式の勝ち抜き戦による正規軍対維新軍の決着戦。
超オーソドックスな順番にした維新軍(小林・寺西・谷津・浜口・長州)に対し、正規軍が先鋒に指名したのはまさかの藤波。
テレビ越しでも蔵前の底が抜けそうになっているのが分かりました。
正規軍(藤波・高田・木村・藤原・猪木)は各ポジションの(興行的)役割を完璧に果たし(但し木村を除く)勝利をものにしました。ポジションとは一種の配役なんだなぁと実感した次第です。
★詳細はこちらを。
お話戻って青葉西の先鋒は未知に決定。作戦会議は露天風呂で。
サービスカット…なのか?
1回戦の相手は地元福岡の博多南高校。かつては全国常連の強豪校でしたが、近年は部員不足もあって大舞台の出番は無し。
しかし、先鋒・湊幸はインターハイ福岡予選個人戦70kg級3位の強者。
会場行きバス乗り場で迷っていた未知らを案内してくれた恩人。コミュ力お化け同士、一瞬で打ち解けたふたりでしたが、初戦で手を合わせることに。
博多南のエントリーは3人。副将も大将もいない。ギリギリの人数。それでも出る。自分達も南雲を欠いて4人。
『もしかしたら、私たちと似ているのかもしれないね』
たとえ試合に出なくともチームは5人。宿で未知の体をほぐしたり、未知たちが試合場に入る時、その場足踏みでちゃんと行進に参加していた南雲がやたら好印象でした。
大舞台、大歓声、そして相手は福岡3位の実力者。上背も腕力も差は歴然。
もしここで1本を決めることができたら…。
委縮とは真逆の地平を踏みしめる未知。
この作品、対戦相手にも色々事情や経緯や絆があって、全員応援したくなっちゃいます(昨日の敵は、どころか今日の敵は今日から友)。
個人的今期イチオシ。
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★本日3月1日はハリー・ベラフォンテ(1927~)の誕生日(96歳!おめでとうございます!)
「USAフォー・アフリカ」の提唱者として「ウィ・アー・ザ・ワールド」プロジェクトを実現させた大御所ですが、印象一番の曲はやはりこれ。