金鷲旗3回戦。相手は昨年度優勝校、立川学園。
先鋒は僅か1分足らずで2回戦5人抜きをした1年生・小田桐華(おだぎり はな)。
未知の仕掛けた奇襲は失敗。技ありを先取し、関節の猛攻を2度に渡って凌ぐも、最後は手も足もがっつり極められて無念のギブアップ。
次鋒・早苗は寝技で勝負しようとしましたが見せ場なく敗退。
≪自分史上最強≫の自信を以て挑んだ姫野でしたが、残体力全てを賭けた一撃が技ありどまり。力尽きて直後に1本敗け。
届かなかった。止められなかった。でもやり切った。思わず溢れる涙。
『泣くの早くない? 私があの子を倒してからにしなよ』
『だね。まだ最後じゃなかった。とっとく。うちのエースが5人抜くまで』
うちのエース。副将兼大将兼切り札。氷浦永遠(ひうら とわ)。
開始早々技あり先取。そのまま変形の寝技へ。
『ひとりじゃない。皆の力で勝ち取った技あり、絶対無駄にはしません』
タイムアウト寸前で抜けられましたが、組み直しから間髪入れず櫓投げ一閃。
4人掛かりでようやく先鋒撃破。
立川学園次鋒は、エマ・デュラン。全国最強の黄金世代と呼ばれる中にあって、一年生の夏の時点で最強の実力者と呼ばれたフランスからの留学生。
補欠扱いの登録で公式戦初出場。誰もその実力を知らない。立川学園柔道部のメンバー以外は…。
「もういっぽん!/第13話・もういっぽん!」(2023年4月2日深夜テレビ東京放送/荻原健演出)
『さああああ!!』
物静かな永遠が放った気合。2回戦でマッハ5人抜きを果たした小田切を下した永遠と優勝候補校の隠し玉エマ。
対峙するだけで熱と圧が溶けて弾けて。
中学の時は耳に届かなかった仲間の声が今は聞こえる。
永遠の猛攻。それはこれまで仲間たちが繰り出した技の数々。
目に焼き付けて記憶、仕掛けて再現。
それをギリギリのところで返して堪えて凌ぐエマ。
競うように愉しむように。
夢枕獏なら「どうだ、楽しいだろう」「はい、楽しいっす」な心のやり取りが入る場面。
エマの櫓投げがもつれて場外へ。勢い余って客席に激突しようとした瞬間。
永遠を抱え上げたまま激突寸前に一時停止ボタンを押したようにピタリと静止。
そのまま永遠をハグするようにして場内へ。驚異の身体能力。
こんな楽しい時間、簡単に終わらせたりはしない。
『まだまだ。もうイッポン!』
タイトル、サブタイ同時回収。
『ラスト10秒!最後に今までで一番の力で、速さで、巧さで』
『ドキドキと、萌え萌えと』
『『楽しさで、勝つ!』』
勝負は…大外刈りの返しを誘った永遠の支え釣り込み足を更に返したエマの一本勝ち。
5人抜くはずだったのに…。呆然自失の永遠。その視界に入ってきたのは…
『とわちゃん!何かもう凄くてヤバくて凄―くてーヤバーくてー…ホントもうとわー!とわー!』
語彙力を完全放棄して大興奮している未知と仲間たち。
本作全編を通じて「ひとりじゃない」「仲間がいる」「仲間は増える」「そして全てが糧になる」を貫いておりました。陳腐な表現ですが、One For All And All For Oneな感じ。
敵にも味方にもバックボーンがあり、ここに至るまでに積み上げた何かがあり…。
闘い終わって礼。勝者と敗者。闘った者だけが入れる儀礼の間。そこに立ち入る事ができなかった南雲の悔しさ。
『先生、来年は私が…この神童・南雲安奈が…先鋒で100人抜きます』
掛け値なしの今期イチオシ。神童・南雲が黒帯巻いて大活躍、なシーンが見たいので、必ず二期やってください。
おまけ
皆で水着できららジャンプ。
★本日4月4日は作曲家、エルマー・バーンスタイン(1922~2004)の誕生日。
バーンスタインと言えば「十戒」「大脱走」「荒野の七人」ですが、ありゃこんなのにも関わっていたの?なものもかなり。
今回はバーンスタインのレアものSFを幾つかピックアップ。