デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【エクスカリバーから生まれた銃】ダークタワー【特殊仕様ニューモデルアーミー】

スティーブン・キングが70年代より執筆を開始し、1982年から2004年までに全7巻を刊行、完結まで約30年を要したライフワーク超大作を95分に!?

無茶の佃煮です。

そら、原作愛好者は文句のひとつやふたつ(みっつやよっつ?)あるでしょう。

でもいいじゃないですか。ただでさえ迂回寄り道回り道なキングの大作ですよ。愚直に映像化なんかしたらお話自己破産不可避です。

ここは極上のガンアクションを楽しみましょう。

ダークタワー(2017年/ニコライ・アーセル監督)

同時に存在する複数の世界。その均衡を保つと共に外界から守るバリアの役割も果たしている巨大な塔、ダークタワー

いわば宇宙の中心を束ねている箍(たが)のようなもの。

この塔が倒壊すれば、世界のバランスは崩れ、外から魔物が押し寄せてくる。

ダークタワーのある異界「中間世界」では、塔を破壊しようとする黒衣の男とそれを阻もうとする拳銃使い(ガンスリンガー)の熾烈な闘いが…。

塔の破壊に必要なのは、選ばれし子供が生まれながらに持っている特殊能力「輝き(シャイニング!)」。

ニューヨークに暮らす少年ジェイクはシャイニングによって中間世界で繰り広げられている黒衣の男とガンスリンガーの闘いを(夢の中で)幻視。


夢に出てきた建造物が現実世界と異世界を繋ぐポータルサイトと気づいたジェイクは座標を特定して中間世界へ。

こんな厨二満開な世界観、まとも説明していたらそれだけで1時間や2時間経っちゃいそうです。

見どころはひとつ、ガンスリンガー、ローランド(イドリス・エルバ)のガンアクション。これに尽きます。

ガンスリンガーの得物は「外観は」レミントンM1858(ニューモデルアーミー)


本来、M1858は「シングルアクション」「パーカッション・リボルバーですが、こいつは違います。

シリンダーはスイングアウト(取り外せるという意味ではない)するわ、45口径の金属薬莢弾が使えるわ、あろうことかダブルアクションまで出来てしまう特殊仕様。

1868年に、スミス&ウェッソンが開発した金属薬莢弾を使用可能にしたコンバージョンモデル(ハートフォードがモデルガン出してます!)が登場していますが、それよりも1ランクも2ランクも上の構造改革

なんたってローランドはアーサー王の末裔で、その銃はエクスカリバーを鋳造したものという聞いてる方が恥ずかしくなる余命宣告レベルの末期厨二病設定ですからね。格が違います。


こいつを目にも止まらぬ(本当に止まらなかったからコマ送りで確認した)速さでリロードして撃ちまくる。


これだけで十分得した気分です。

滑り込みざまに跳ね上げたスピードローダーを空中でキャッチする離れ業も披露。


SFファンタジーですが、雰囲気は完全に西部劇。

ガンスリンガーには拳銃使いの教条みたいなものがあって、撃つ時に唱えるのですが、これが詠唱のようでもあり、詩篇23篇の祈りのようでもあり。


悪役の黒衣の男役はマシュー・マコノヒー。ちょっと若い時のクリストファー・ウォーケンを思わせる佇まい。

武器は思念。「Hate」「Stop breathing」「Kill each other」…

一言呟くだけで災厄をまき散らす幻惑師です。


これ本当に本作1本で終わりにしちゃう気なんでしようか。だとしたら実に潔い事だと思います。

 

★ニューモデルアーミーと言えば…

 

 

 

ランキング投票です。ニューモデルアーミーに薬莢弾詰め込んで連射したい人はワンポチを。

 

 

 

★本日3月21日は「桜花実戦投入の日」

1945年のこの日、ロケット特攻機「桜花」が初めて実戦投入されました。残念ながら、出撃した部隊は母機もろとも全滅し、戦果はありませんでした。

桜花誕生の経緯はこちら。

★また本日はゲイリー・オールドマン(1958~)の誕生日(おめでとうございます!)。

良く言えば「燻し銀」、有体に言えば「とことん地味」。

本日は作品自体も地味目、あいや渋めなこの2本立てで。