《馬鹿な事だと知りながらも、ずっと求め続けたこの魔法。遠い昔に丸暗記して以来、毎日欠かさず唱えてきたこの詠唱》
『それは始まりの炎、それは終わりの炎、現在・過去・未来、万象を超える禁断の力。炎よ、我は破壊者、無慈悲なる者、我が血、我が肉を以て、古き神々の戒律を今破らん。我が名はめぐみん、紅魔族一の天才にして、爆裂魔法を操りし者。ひたすらに、ただひたすらに追い求め続け、やっと手にしたこの魔法、私は今日と言う日を忘れません!天よ地よ、決してその名を忘れるな!我が名はめぐみん!紅魔族随一の天才にして、爆裂魔法を操りし者!喰らうがいい、エクスプロージョン!』
遂に放たれた天地を焦がす狂気の雷。爆裂魔法使いの誕生です。
「この素晴らしい世界に爆焔を!/爆裂狂の誕生(プレリュード)」(2023年5月3日深夜TOKYO MX放送/吉田俊司演出)
邪神の封印が解かれたために、紅魔の里に現れた大量のモンスター。
邪神の封印(立体パズル)を解いたのは、めぐみんの妹・こめっこでした。
モンスターに囚われたクロ(こめっこが「食料」として捕獲してきた猫…のように見える邪神の半身)を取り戻すため、モンスターの群れにひとり立ちはだかり威嚇するこめっこ。
やはり大物です、こめっこ。
クロとこめっこを助けるには魔法が必要。上級魔法取得のためのスキルポイントは溜まっている。しかし、上級魔法を習得すればポイントがゼロリセットになり、また1から爆裂魔法修得のためのポイントを稼がなければならない。
冒険者カードを睨んで固まるめぐみん。
『震えてるわよ。踏ん切りがつかないんでしょ?』
一緒にいたゆんゆんが迷わず魔法修得。ただし溜めたポイントは中級魔法まで。
『ライトニング!』
それでも威力は絶大。隙をついてこめっこの手を取り脱出するめぐみんですが…。
《ライトニングは中級魔法だ。ゆんゆんが中級魔法を覚えた。晴れて学校は卒業だ。なのでもう、学校から希少なスキルアップポーションを貰えなくなる。ゆんゆんは今後、上級魔法を覚えようと言うのなら、モンスターとの戦闘を経てレベルをあげていくしか方法がない。私のライバルは今後1年は中級の未熟者扱いをされるのだ。族長の娘として努力を続け、ずっと優秀な成績を修めてきたのにもかかわらず…》
『こめっこ、お姉ちゃんのことは好きですか?』
『好き!』
『最強の魔法が使えなくてもですか? 最強のお姉ちゃんじゃなくてもですか?』
『私が代わりに最強になるから大丈夫』
来た道を取って返して、ゆんゆんを助けようとした瞬間、
『我が名はこめっこ!家の留守を預かる者にして、紅魔族随一の魔性の妹!』
そうでした。紅魔族はその年齢を問わず「美味しい所」に敏感で、決して人に道を譲ったりはしないのでした。たとえ相手が大好きな姉であったとしても。
ゆんゆんは目の前のモンスターを一掃しましたが、魔力全消費ですっからかん。
見上げれば、大人たちに追い立てられたモンスターの群れが一直線に。
『ここなら人がいないから超火力の上級魔法を撃ち込める…』
このままではモンスター共々…。
ゆんゆんはもう動けない。私が魔法を覚えて二人を逃がさないと…。
もう躊躇している余裕はない。爆裂魔法は諦めて上級魔法を…あと1ポイントだったのに…どれにするかと修得可能魔法を見るとその中に…。
「爆裂魔法!?」
何故?…ああ、さっき公園で締めたカモネギだ。あれで経験値があがって…。
『ゆんゆん、こめっこ、頭を低くして伏せていなさい! 全スキルポイント、使用!』
段取りと詠唱と大気を揺るがす大爆発は波動砲を凌ぐカタルシス。これ来週からどーすんの?「このすば」1期2話から再放送? と心配になるくらい「良い最終回」でありました。
おまけ❶未来の仲間
卒業を記念してめぐみんの未来を占ったそけっと。水晶玉には見覚えありすぎな街の全景。
『始まりの冒険者の街、アクセル。そこであなたは様々な困難の末、素晴らしい仲間たちと出会うでしょう。その人たちはとても優秀で…ゆう…しゅう?あれ?…ささ(両手で水晶を隠す)』
『なんですか!? 何が見えたんですかぁ!?』
確かに、そけっとの占いはよく当たる。
おまけ❷命名:ちょむすけ
いつこめっこに食料にされてしまうか分からないクロを正式な「使い魔」にすることにしためぐみん。しかし、そうなると…
『いつまでもそんなセンスのない変わった名前のままでは、この子が可哀そうではないですか』
謝れ、西村さんに謝れ。
『決まりました! お前の名前はちょむすけ!そう、ちょむすけです!』
謝れ!西村さんに(以下略)
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★本日5月5日はランス・ヘンリクセン(1940~)の誕生日(おめでとうございます!)
ダミアンを守り、空飛ぶピラニアと戦い、ターミネーターに職場壊され、パンプキンヘッドとシンクロし、エイリアンに千切られ、プレデターに襲われ、ピンヘッドに殺されたジャンル映画の重鎮です。
メジャーどころからちょっと外れたこの3本立ては如何でしょう。