『星の絨毯だ!』
今回くらい「タイトル写真」をどれにするかで悩んだことはありません。
宙(そら)も海も人も全てがひとつに。
星の光の万華鏡。
「君は放課後インソムニア/第11話・夜明けの一番星」(2023年6月19日/荒木一成演出)
天文部の天体写真撮影合宿。お目付け役に任命された伊咲の姉・早矢の戦線離脱(親の目がないのをいい事に彼氏とランデブー)によって「二人きり」シチュになった中見と曲。
天の采配を喜ぶ間もなくスケジュールに追われる二人。
バス1本取りこぼしただけで1日棒に振るのですから、行動は文字通り「分刻み」。
最初の目的地は見附島。
『でっか! その名は見附島。始まりの島』
(The island that kicks off our adventure.)
テントの設営許可貰って、陽のあるうちに撮影スポット確認して…。
カメラセットして、日没になれば星が…え!?ライトアップ!?
旅にアクシデントはつきものです。
23時、消灯。人工の光が消えて隠していた天然の光が…。
『凄い…!』
『七尾で観る星と全然違うね。星の絨毯だ!』
比較明合成(複数枚の画像を重ねて1枚の画像に合成する際に、ピクセルごとの明るさを比較して、明るいほうのピクセルを選んで合成する方式。星の軌跡を1枚に収める事が出来る)のためカメラを固定したまま2時間連続で撮影。
終わってみれば深夜以上明け方未満。
『もう3時か…流石に…全然眠くなーい!』
『ならなーい!』
『曲、俺たちって無敵なのか!?』
『無敵の二人!』
うん。無敵だな。
あくび噛み殺しながら帰宅。曲のリクエストで餃子製作。買い物行って作って食べて寛いで(完全に新婚さんです)。
中見が風呂から上がると曲が神妙な顔でお出迎え。
『襖のこのラインが境界線です。お互いここから先には入れません』
おっとこれって、
『これは決して壊れる事のないジェリコの壁。この壁をちょっとでも超えたら死刑よ‼』
ではありませんか。
翌日からも撮影スケジュールは粛々と。起きて出かけて夜を待ち、撮って戻って喰って寝る。二人で。
こんな暮らしがずっと続けばいいのに。
『ここに来てから少し変なんだ。不安が全然ないんだ。毎日やりたい事、したいことしかなくてさ。朝起きて、曲が横にいる。それが凄くほっとするんだ』
起きても曲はいる。いなくなっていない。母のようには。
今回、冒頭で中見の母が失踪(丸太が寝ている間に出て行った)した日の朝の描写がありました。
洗い物もそのままで。家計簿も途中で。今の今までそこにいたような日常の痕跡だけを残して。まるで神隠しのように。
それが、中見が眠れなくなった理由。寝て明日になるときっと今日より酷いことになる。
明日が来るのがずっと怖かった。
そんな中見の不安を堰き止める曲の唇。
ほんわかした日常を薙ぎ倒すラブコメの波動。
己の行動に驚く曲。どっちもパニック。
終盤らしい展開になってまいりました。
おまけ
曲の生足、蚊取り線香を添えて。
★本日6月21日はジュリエット・ルイス(1973~)の誕生日(おめでとうございます‼)
ビッチビチビッチな1994年作と2009年の爽やかスポーツ系青春映画をどうぞ。