デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【人間側の認識なんぞ】ダーク・アンド・ウィケッド【悪魔の知ったこっちゃありません】

『母はここに悪魔がいると考えていました。無神論者なのに』

『信じる信じないは問題じゃない。森の中で独りでいる君を見たオオカミが「こいつは俺の事をオオカミと認識しているか」なんて事を気にすると思うかね?』

それが本当に悪魔なのか、悪魔だとして、目的や動機や理由はあるのか。そんな事はどうでもいい。

そもそも人間の知覚が及ぶ話ではないのだから。

「ダーク・アンド・ウィケッド」(2020年/ブライアン・ベルティノ監督)

テキサス州サーバー(Thurber)。

田舎です。どれくらい田舎かと言うと「Tripadvisor」というサイトでサーバーのレストランを検索すると「申し訳ありませんが、サーバーにレストランはありません」と表示されるくらい田舎です。

この田舎の実家(ヤギ牧場)を久々に訪れたルイーズとマイケル姉弟


母がひとりで寝たきりの(意識もない)父の世話をしていますが病状が芳しくないらしい。

『帰って来るなと言ったのに…』

明らかに精神をやられている母。

キッチンでニンジンとんとん指とんとん(野菜刻み始めた瞬間、オチが分かる)。

挙句ヤギ舎で首ぶらりん。

これが月曜日の出来事。ここから日曜日まで、姉弟が体験する神経紙やすりの一週間。

マイケルが見つけた母の日記。

次々、幻覚に襲われる姉弟。更に惨劇。

や、ヤギが!

 

くっそー!


「人間の認識なんぞオオカミは気にしない」という神父の台詞は「細かい説明はしないよ。オチとか知らんし」という監督の宣言のようなもの。

なので、勝手に悪魔の都合を類推すると、悪魔が自らに課したミッションは「関係者全員を自殺に追い込む」なんじゃないかと思います。

果たして悪魔はミッション・コンプリートできるのか。

説明不足な事を捉えて悪し様に言う人が多いですが、雰囲気系ブレアウイッチだと思えばいいじゃないですか。

盛り上がりに欠けるのは事実だし、目新しい描写があるわけでもないですが、結構好きです。


悪魔に対する認識が無意味なら神に対する理解も無意味(例え存在を認めても、その意思を慮る事はできないという意味で宗教そのものが成立しえない)という事になりますし(え、ならない?)。

He plays His games, We play ours!

『神は神のゲームをすればいい。我々は我々のゲームをする』

フルメタルジャケット」よりハートマン軍曹の台詞。

 

 

 

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★本日6月24日は「UFOの日/空飛ぶ円盤記念日」。