本日6月26日は「世界格闘技の日」。
1976年(昭和51年)のこの日、「アントニオ猪木 VS モハメド・アリ 格闘技世界一決定戦」が行われました(記念日は猪木、アリ両氏が制定)。
この世紀の一戦(凡戦ではない!)の映像が拝めるのが、
「格闘技世界一 四角いジャングル」(1978年/後藤秀司監督)
梶原一騎原作による格闘漫画をベースにした記録映画。
「闘いは人間の本能なのか?」という重々しいナレーションで開幕。
死ぬまで戦うパンクラチオン、ベアナックルによる初期ボクシング、地下格闘技(ファイトクラブだ!)、相撲の原点としての野見宿禰(のみのすくね)vs當麻蹶速(たいまのけはや)の天覧試合、少林拳を始祖とする各種格闘技、明治時代に行われた興行としての異種格闘技などが影丸譲也先生の気合の入った挿絵とともに語られます。
そしてOP。格闘技の映画なのに如何にも70年代なムード歌謡(木庭ミキ「EVERMORE」作曲・荒木一郎☜「あしたのジョー2」の音楽担当した人。「必殺からくり人」主題歌「負犬の唄」作詞、「必殺仕業人」第1話では挿入歌も歌っています)。
ポスターに猪木・アリ戦がでっかくあしらわれているので、てっきりメインはこれかと思いきや前半でさらりと触れるだけ(始まったと思ったらいきなり最終15ラウンド!)。
まあ興業の裏話やら政治的駆け引きやら取り引きやらが(真偽の程はさておき)語られている現在と違い、当時としては「あの試合」で長時間尺を取るのは興行的によろしくないという政治的判断だったのでしょう。
ここから先は格闘万華鏡。
極真喧嘩空手大山倍達(首席師範として真樹日佐夫先生も)を筆頭に、相撲界から高見山大五郎、新格闘術の藤原敏男(500年の歴史を破って行われた国外、つまり日本で行われたムエタイ、ラジャダムナン王者モンサワン・ルークチェンマイ戦)、マーシャルアーツの雄ベニー・ユキーデとかを挟んで新日本プロレス道場へ。
ゴッチ直伝の練習風景。猪木の腹の上で飛び跳ねているのは若き日の藤波辰爾。
坂口vs上田馬之助。場外乱闘のお手本。
猪木vsボブ・バックランド(WWWF・NWFヘビー級選手権試合)は、お約束の時間切れ引き分け。バックランドはリック・フレアーの原型のような試合巧者(←褒めているようで褒めていない)
猪木のブラジル時代回想(折り返し点まで来て初のインタビュー音声)
倍賞さんだ!
16度目のNWFタイトル防衛線。相手はタイガー・ジェット・シン。
ゴングは勿論、客の傘まで奪って凶器攻撃。
最後は猪木のバックドロップからのフォールで微妙なスリーカウント(シンが本気で抗議していないので、そういうシナリオだったのでしょう)。
藤原敏男が本場タイにチャンピオンとして乗り込んだ防衛戦。挑戦者はライト級1位シープレー・ギャッティソンポップ。ホームタウンディシジョンで無念の判定負け。
猪木vsモンスターマンの異種格闘技戦はモンスターマンがサンドバックにされて戦意喪失。
〆はアンドレ・ザ・ジャイアント戦。
冒頭で「熊殺しウィリー・ウィリアムス」がいかにもラスボスな感じで紹介されていたのでウィリー戦がクライマックスになるのかと思いきや「黒い巨大な影が迫っている」という煽りナレーションでエンド。
予告編かよ!?でございますが、猪木vsウィリー戦が組まれたのは1980年2月27日(@蔵前)。本作の公開後なのでした。
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