『なぁケンチョよ、俺、スーパーヒーローになってみたいと思うんだが』
『…』
『俺、スーパーヒーローになってみたいと思』
『いや聞こえてるから』
「ゾンビになるまでにしたい100のこと」其の三十五「子供の頃に憧れた夢を思い出す」。
夢で蘇えった幼少期の記憶。俺は、かっこいいコスチュームに身を包み、助けを求める人のためにどんな危険も厭わず、決して見返りを求めない、そんなスーパーヒーローになる事を夢見ていた。
『いいかなぁ!? 一度きりの人生、ゾンビから人々を守る正義のヒーローに、俺、なっちゃってもいいかなぁ!?』
「ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~/第5話・ヒーロー・オブ・ザ・デッド」(2023年8月13日TBS放送/為水翔太郎演出)
そうと決まればまずは「かっこいいコスチューム」探し。
見た目+ゾンビとの戦闘に有利なコスチュームを求めて品川水族館へ。
目指すはシャーク・スーツ。サメの歯から体を守るために作られたダイビング・スーツ。
鎖帷子のようなメッシュ構造が大型鮫の歯も通さない…らしい。
スタッフルームのロッカーの中にトレジャーはありました。
カラーリングもヒーローっぽくしたところで、ゾンビの群れに追われて逃げて来る集団が。
初陣だ!
颯爽と先頭の少女を助け、後続を水族館に誘導…していたら何とその中にコンビニで会った「リスク管理お姉さん」が!
これはいい所を見せないと、と勢い込みましたがここで誤算。
シャーク・スーツは確かにゾンビの歯は通しませんでしたが、噛む力は伝わって参りました。つまり「痛い!」
次々ゾンビにのしかかられるアキラがケンチョに助けを求めますが、平然と「無理だー」と返して扉を閉めてしまうケンチョが最高。
何とか引き剥したゾンビを海に投げ込んで戻って来たアキラ。リスク管理お姉さんと感動の再会…かと思いきや、相変わらず小難しい理屈をこねくり回して連絡先交換拒否。
『あなたが自己価値観を満たすためにとるその短絡的で無謀な行動のせいで、あなたの大切な人が脅威に晒されるかもしれないリスクを考えた事はないの?』
まるで比企谷八幡を諫める雪ノ下雪乃ですね。
当面の危機は去った…と思いきや館内に六足歩行するサメが!?
サメに捕食されたダイバーが、サメに取り込まれて六足歩行するようなったようですが…。
更に館内残留ゾンビとも遭遇。別室に避難誘導しますが、パニックJKに突き飛ばされたお姉さんが、六足サメと一緒に取り残されて…。
迷わず通風孔から鮫に躍りかかったアキラ。
『アキラくん…何で…何しにここへ?』
『何って…これ助けに来た以外あります?』
『は?…あなた本当にどうかしてる!そこまでして何のために!?』
『もういいじゃないすか、そういうの!』
助けたい気持ちに理屈はいりません。
『私に考えがある!自分でも信じられないくらい全くバカげた案だけど…賭けてみる?』
『はい!』
お姉さんの案、それはサメのロレンチーニ瓶を直接刺激すること。
筋肉が発する微弱な電流を感知する電気受容感覚の1種「ロレンチーニ瓶」。こいつを直に刺激してやる。理屈の上では人間が触っただけで筋肉の活動電流が伝わって混乱するはずですが、より確実にするために放電するアイテムが欲しい。
アキラ(と途中参戦したケンチョ)が時間稼ぎをする中、お姉さんが懐中電灯から乾電池を抜き取って。
『ゾンビ化したサメに効くかどうかは知らんけど!』
『試してみれば分かるさ! バリバリサンダーパーンチ!』
効きました。コスプレアキラと全裸ケンチョが歓喜の舞。
『余計なお世話でしょうけど…ネーミングセンス悪すぎない?』
いいじゃないですか。バリバリサンダーパンチ。因みに英語字幕は「Crackle Thunder Punch」でした。
一件落着…したものの、相変わらず「赤の他人の自分を助けようとしたために、あなたの大切な人(ケンチョ)が危険を冒すはめになった」事を非難するお姉さん。
『そんな人と同行してたら命が幾つあっても』
『いやでも、俺にとってお姉さんはもう大切な人ですから。ヒーローにならなくたって、きっと助けてましたよ』
さらっと言えるその台詞がヒーローの資質だと思います。
念願の連絡先交換して一旦の別れ(大丈夫。またすぐに会えますよ)。
さて、これからどうする?
『もう東京はもう十分かなあ。そろそろ親に元気な顔のひとつも見せてやりたいし』
『じゃ、行ってみるか』
『おお、関東の秘境、グンマーへ!』
前期は石川県ネタが複数ありましたが、今期の聖地はグンマーです。
おまけ
今回キャラ立ち一番だったパニックJK。パニック映画では真っ先に死ぬキャラですが、こちらでは延命したみたい。
★今期もうひとつのグンマー賛歌はこちら。
★群馬の恐怖をこれでもかと叩きつける小説はこちら。
★群馬をダシに使ったプロパガンダ映画はこちら。