『あなただけのものであるはずの「意思」を、あなたが自身で選択できる「自由」を、あなたがあなたであるがための「尊厳」を、「魂」を、「誇り」を、ただ放棄させ奪う事、本当は自分に自信がなく、常に満たされず、自分を大きく見せたり、他人を攻撃する事でしかコミュニケーションの取り方を知らない、そんな寂しい人間が、わずかでも自分を肯定したいが為に、あなたを慰みにしているだけ。私も今日まで今のあなたと同じだった。けど!あなたのおかげでようやく目が覚めたわ。私はもう二度と!誰にも私を渡さない!』
それは父の枷からの呪縛からの解放。
「ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~/第6話・キャンピングカー オブ ザ デッド|第7話・SA オブ ザ デッド」(2023年8月27日|9月3日TBS放送/川越一生監督)
電気も止まって、マンションの貯水タンクも空に。最早東京に留まる理由はありません。秘境あいや故郷・群馬に帰る決心をしたアキラとケンチョ。
ゾンビの群れを突っ切るなら、足は食事睡眠排泄の安全が保障されたキャンピングカーしかない。
キャンピングカーショー会場には同じ思考で辿り着いたシズカが。
例によってリスクヘッジの視点から同行(アライアンス)を拒否するシズカでしたが、免許がない事(運転リスク)を指摘されてしぶしぶ承諾。
ビジュアルと直感(夢とロマン)で選ぶ男二人と、状況に合わせた機能(安全性と利便性)を優先するシズカで意見が割れますが、揉めている所にゾンビが乱入してきたので、手近にあった超無難な車種に。
意気揚々とガンマ共和国…じゃないグンマーを目指しますが、待っていたのはスパイクベルト。
車パンク、ケンチョはバイクで転倒&負傷。
仕掛けたのはSAを根城にしている草野球チーム。仕切っているのは…アキラの元ブラックパワハラ上司・小杉(最悪の再会)。
小杉の出した条件は、車の修理とケンチョの傷の手当をしてやるかわりに2日間ここで働け。見事なマッチポンプ。
小杉を見た瞬間、ブラック時代のトラウマがフラッシュバックしてしまったアキラは催眠術にかかったかのように荷物運びの木偶人形に。
その姿は小杉らが労働力として使役しているゾンビと変わることなく…。
そしてそれは常に父の言う事に従う「べき」と呪文のように言い続けられてきたシズカの人生の投影。
ずっとここにいて俺を手伝え、と言う小杉の言葉に洗脳レベルで逆らえなくなっているアキラでしたが、シズカの一喝で覚醒。
「ゾンビになるまでにしたいこと」ノートにシズカが書き込んだ37番目の希望。
≪ムカつく上司にハッキリ言いたいことを言う≫
『あなたとは、もう二度と会いたくありません!』
よく言ったアキラ!
クライマックスはお約束のゾンビ侵入(入り込んだのは1匹ですが、パニクったメンバーが車で使役ゾンビの手綱を切ってゾンビ祭り)。
小杉は逃げ惑うだけでしたが、アキラの機転とメンバーの協力でゾンビ一掃。
『シズカさん、何とか切り抜けられました』
『まったく…あなたってホント、毎回滅茶苦茶すぎるわ』
いつものリスクを顧みない行為を叱責することなく(褒めてもいませんが)。
危機は去りましたが、命令するだけで自分は全く動こうとしない小杉にメンバーが三行半。小杉ひとりを残して全員離脱。
小杉さん、多分この後、ゾンビに喰われちまったんでしょうねえ…(合掌)。
ただ、この人、シズカさんに酌させるだけで杯盤狼藉に及ばなかった(普通、速攻緊縛してあんな事やこんな事するでしょう)のは偉かったなぁと妙なところで感心してしまいました。
さあ、これでようやく甲冑ジャーマン女子、ベアトリクスの出番です。
今はEDにのみ登場のベアトリクスさん。
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★本日9月6日は黒澤明監督(1910~1998)の命日(9ク6ロサワって出来過ぎだな)。
大好きな作品も勿論ありますが、今回はソリが合わず思わずこちらから謝ってしまったこの2本を。
★本日のTV放送【20:00~BS松竹東急/よる8銀座シネマ】