『大した思い上がりだな。ええ?お仲間におだてられて王様気取りしてるうちにてめえの実力も測れなくなったか?』
『俺は王なんぞではない。そんな器じゃないことは百も承知だ!』
『当然だ!無謀だと?こっちの台詞だ!こんな馬鹿なことしやがって!何がガンマ共和国だ!ナメんじゃねえ!』
事情も理由も知っている。しかし、互いの立場が一歩も引くことを許さない。
戦士レオvs僧侶フレッド。
10年前に世界を救った男ふたりが命のやりとり。
「Lv1魔王とワンルーム勇者/第10話・レオvsフレッド」(2023年9月4日TOKYO MX放送/小柴純弥演出)
どつきあいながらの心情吐露は熱血アニメのお約束。
『俺がこの千年荒野と呼ばれた土地に追いやられた時、俺についてきてくれた部下達がいた!慕ってくれる仲間がいた!俺と共に王国も放棄したこの土地を切り開きみんな死ぬ思いで魔鉱脈や温泉を掘り当てたんだ!それを王国はなんの見返りもなしにすべて奪い去ろうとした!彼らの生活は…彼らの思いはどうなる⁉』
『そうだな…全く理不尽な話だ。だが努力が全く報われないなんてのはよくある話だろ。おとなしく身の程わきまえてりゃよかったんだ。てめえも!無能な部下どもも!俺を殺したところで…王国が貴様らの独立を認めると思うか⁉ お前の不毛な戦いは永遠に終わりはしない!』
『終わるとも!終わらせる!俺達の声は必ず王国民にも届く!いずれ聞き入れてくれる!』
『そうだろうな。せいぜい粘り強くやってみろよ。声はきっと届くだろう。いつかすべて丸く収まるだろうよ。世界中の人間すべてがお前のように健全で!正直な奴ばかりだったらな‼』
理想・正論vs大人の事情。多分辛いのは圧倒的にフレッド。
どちらかが倒れる(≒死ぬ)まで終わらない闘い。しかし、その映像(フリーデーの記者がドローンで生配信)に背を向け続けるマックス。
『みすみす仲間達を死なせるつもりか⁉ ええ?勇者よ!』
たまらず叱責する魔王。
『うるせえよ。どうしろってんだ?あの場に行って俺に何ができる。どっちの味方をすりゃいいんだ?ええ⁉ レオとフレッドどっちを殺せってんだよ!なあ⁉ そんなこと俺に選ばせるつもりか!』
ここにも辛い選択を迫られている男がひとり。
勝手にするがいい、と飛び立ってしまった魔王。向かった先は…。
何とガンマ共和国の決闘現場。着地失敗、激突。
そのままドローン捕まえてカメラの前で魔王復活宣言。返す刀で、
『勇者マックスよ!見ておるのだろう?何をしておる!今来なければ貴様は今度こそすべてを失うぞ!』
公開煽り檄説教。
『友を死なせたくないという思いがあるのなら!ぐだぐだせんと早く来ーい!もう一度立ち上がれ!マックース!!』
誰立場なのよ魔王?
『クソが~!どいつもこいつも…ぬっ…ぐぅ…あ~知らん!もう知らん!知ったことか!どうにでもなれや~‼』
10年間置物と化していた聖剣ブレイズブリンガーを手に立ちあがるマックス。
これが「ドラゴンボール」や「ONE-PIECE」なら、荘厳な音楽と無駄に大げさな演出で大盛り上がりになる所ですが、絶対そうはさせないあたり作り手の見識が伺えます。
チャリのペダル踏み込んだ瞬間、チェーンが外れてサドルに股間痛打。
『めんどくせえな~もう。手も汚れるし。行くのやめようかな?マジで』
気を取り直して再出発。混雑している道路無視してビル伝って空飛んでSonic Wave出しながら一路ガンマ共和国へ。
戦闘の場に割って入るマックス。
本来ならここは絶対こう👇なる(台詞は「双方動くな!」)はずですが、
実際は、
作り手の見識(以下略)。
さて、どう納める、勇者マックス?(まずはユリアの飴なめて落ち着け)。
おまけ
今回は、その飴玉の贈り主、魔法使いユリアとマックスらの出会いがアバンとCパートで描かれていました。
なかなかにマッシブなボディだったんですねぇユリアさん(ツンデレだったんだ…)。
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★本日9月7日はテレンス・ヤング監督(1915~1994)の命日。
ヤング監督と言えば、初期007シリーズですが、今回は基準の異なる色男が揃い踏みしたこちらをどうぞ。