『やれやれ。フレッドってホント素直じゃないわね。ああやってイチャついているうちは大丈夫だと思うけど』
憎まれ口を叩きながら人一倍レオを気遣っていたフレッド(ガンマ共和国国境の壁を守っていたのはフレッドから貰ったアミュレットだったんですね)。
そんな二人のイチャコラを微笑ましく眺めるユリアとマックス。
『もし何かあったらあんたが二人の間取り持ってやんなきゃ駄目よ。頼りにしてるからね、マックス』
託された。10年経っても約束は約束。メッセージは一粒の飴。
「Lv1魔王とワンルーム勇者/第11話・勇者、地に塗れる」(2023年9月11日TOKYO MX放送/竹谷徹平演出)
レオ(ガンマ共和国代表)とフレッド(王国魔導庁長官)の関係はこじれにこじれ。遂に果し合いに。
傍観決め込むマックスでしたが、魔王に煽られてしぶしぶ(チャリで)参戦。
決闘現場に颯爽登場、しかし、レオ&フレッドのサンドイッチ攻撃を喰らって轟沈。
『今更何しに来やがった!?』
『王国の危機に現れた勇者様と言うわけか?』
『王国の危機だと!? 思い上がるな! 自分がそんな大層なもんだとでも思ってんのか!?』
『お前ら二人が相手でも戦うぞ。この地を守るためにな!』
『いいように言いやがって。チンピラ集めて不法占拠しているだけだろうがよ!』
『不当に土地を奪おうとしたのは王国だ!お前だって分かっているはず!』
『やっかましいおのれら!王国だ共和国だ、うだうだくだらねえ御託並べやがって!うんざりなんだよテメエらにゃ。両方潰してやる!俺の目に入らねぇようにな!』
全方位ガチギレ。
戦士×僧侶×勇者。10年前に世界を救った男たちの総当たりバトルロワイアル。
『最後まで立ってた奴の勝ちって事だ。分かりやすくていいじゃねぇか!来いマックス!フレッド!』
試合開始。しかし、ほぼ現役のレオ、フレッドに比べ、マックスは10年間自堕落の佃煮。パワーもスピードも追いつかず。
『大啖呵切って、聖剣まで持ち出して…何だその様は!? マックス!』
『うるせー。あれから10年経ってんだぞ。いつまでも猿みてぇに動き回ってられるかよ』
『同い年だろが』(レオ)
『お前黙ってろ』(マックス)
フレッドの魔導一斉射撃を喰らって地に塗れるマックス。
無理だ…勝てねぇよ、こりゃ。呆れる無謀さだぜ。正面から馬鹿正直に挑むなんてよ…。
『諦めるな!』
それはかつて仲間を鼓舞した自分の言葉。反則級の強敵、ベヒモスに対峙した時もそうやって…。
あの時は、ユリアが生成した「マキシマム・ドライブ」のおかげで何とか…
『マキシマム・ドライブ。私の全魔力を凝縮したとっておきの強化呪文よ。言っとくけど2発目はないからね。体動くうちにケリつけなさい』
ユリアの娘サラから渡された飴玉。それがマキシマム・ドライブ。
這って掴んで噛んで砕いて。
組み込まれていたユリアのメッセージ。
『さあ、あのアホ二人にお灸を据えちゃいな!』
勇者覚醒。フレッドの魔導攻撃を全弾粉砕して聖剣一閃。
舞台外に弾き飛ばされるフレッド。残るはレオ。
『行くぞマックス!俺たちを止めてみせろ!』
それは「止めてくれ」と同義。
砕けて舞い上がる地面の欠片を足場にして飛び交う空中戦。最早、人間のなせる業ではありません。
剣が折れれば力尽きるまで拳で語る。魂のディベート。
ちょっとアングルが「パトレイバー」っぽい。
『何のためにこんなくだらねー事してんだ俺たちは…』
常識の箍が外れたどつき合いを見上げながらフレッド復活。
『レオ、お前が馬鹿な事したのが始まりだろうが。マックス、お前が最初から俺に協力してりゃ、仲間内でこんなにやり合わなくて済んだんだ。ふざけんなよ…どう収拾つけるつもりだ…マックス、テメーが俺たちを倒した所で何が変わるんだ!? 俺の代わりに王国にいいように使われるつもりか? ユリア、テメーもだ。何でこうも馬鹿ばっかりなんだ!』
どいつもこいつも…人の気も知らないで!もう沢山だ!消し飛べ、馬鹿ども!
ガメラのプラズマ火球並みのエネルギーを放出するフレッド。
間一髪、そいつを横から突き飛ばしたのは…魔王!
間隙を突いてマックスの聖剣がフレッドを捉え…最後に立っていたのは…勇者。
『か、体中が痛ぇ…』
どう収拾つけるつもりだ? フレッドの疑問に答えるように立てぬ二人を引きずってドローンカメラの前に立ち…。
予想の斜め上行く芸当でその場を、いや問題そのものを納めようとするマックス。
正直で無様で誠実。やっている事は桁外れに馬鹿なのに何故か泣ける。
見事な見せ場回でした。
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