『違う!! 決して二人への気持ちが静ちゃんに移った訳じゃないんだ。例えるならそう…!! 今まであった油田からの石油を分けるのではなく、静ちゃんと出会ったことにより、新しい油田が発見されたと言ったような』
『恋人への愛を化石燃料で例えんじゃないわよ』
3人目の恋人加入は、既存ヒロインをいい感じに壊して、キャラを鮮明にしてくれました。
凄く「いい話」なのに最後で台無し。このバランスこそラブコメ。
「君のことが大大大大大好きな100人の彼女/第3話・無口な姫と騎士と武士」(2023年10月22日TOKYO MX放送/五藤有樹演出)
恋太郎が図書室で出会った3人目の運命の人。
好本 静(よしもと しずか)。その名の通り「本が大好きでもの静かな少女」。
見た目は「ネトゲの嫁」の亜子を70%くらいに縮小した感じですが、コミュニケーションのハードルが「ちょっとだけ」高い。
左:好本静 右:「ネトゲの嫁」亜子
声による会話ではなく、お気に入りの本の一節を指さして感情を伝える「三角飛び」意思疎通(古見さんの上を行くコミュ症です)。
通常会話が出来ない事で母にも学友にも疎まれ、友達と呼べる人もなく。
ハッピーエンドを迎える恋愛小説が読みたいと、静にお薦めを訊くと、図書室中を巡ってどどーんと。
折角のお薦め、全部借りようとしましたが、初回利用者は貸出カードの発行に1週間かかるという、残酷な法の壁(いやいくらなんでもそれはねーだろ)。
そんな恋太郎に静は自分のお気に入りの本(勿論私物)を。
それは運命に抗う騎士と姫のファンタジー「王冠恋物語(サークレットラブストーリー)」。
一晩で読み終えた恋太郎ですが、この本だけを頼りに周囲と関わっている静を見て一計。
数日後。
恋太郎が静に渡したのはひとつのスマホアプリとデータファイル。
それは「テキスト読み上げアプリ」。予め打ち込んでおいた文字を電子音声で読み上げてくれるアプリです。
データファイルに入っていたのは「王冠恋物語」第1巻全文。
スマホの画面上で文章を指させば、電子音声が読み上げてくれる。相手に読ませる必要はなく、相手の目を見て会話ができる。
『頑張って喋れるようになろう!なんて言えないから。こんな風にほんのちょっとだけでも、君が人とのコミュニケーションを取りやすくなる手助けが出来たらなって』
「王冠恋物語」は電子書籍にはなっていない。つまり、恋太郎が1冊まるごとスマホのフリックで文字起こしを。
それは声のプレゼント。代弁ではありますが、静が初めて得た自分の声。最初に発した言葉は…
『好きです』
ああ、こんなん泣くに決まってるやん。
受け入れて、抱きとめて…。
『…と言うわけで、好本静ちゃんを新しい彼女として迎え入れさせて頂いてもよろしいでしょうか?』
『脳みそ腐ってんのかおめー!』
実に正しい唐音の絶叫。しかし、羽香里の反応は…
『別の女の子を好きになったからって、私達をフらないでくださるなんて…どこまで優しい方なんですか…!!❤』
最早ポンコツとしか言いようのない羽香里と、突っ込み千手観音と化した唐音。
残り97人。彼女たちの試練は続くのでした。
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★本日10月25日はアベル・ガンス監督(1889~1981)の誕生日。
毎度お約束の1本を。
★本日のTV放送【20:00~BS12】