傾きかけたアルバトロスの屋台骨を超合金にした上に自社ビルまでオッ建ててしまった奇跡の1本がデジタルリマスター版で再公開されるそうです。
その1本とは勿論、
「アメリ」(2001年/ジャン=ピエール・ジュネ監督)
洋画配給会社ニューセレクトに入社し、グループ会社のアルバトロス株式会社に異動してバイヤー兼宣伝担当となった叶井俊太郎(かない しゅんたろう)が、脚本(正確にはウルトラ簡易な企画案)読んだだけで「これはストーカー少女の妄想が炸裂するダークファンタジーだ」と勘違い(でもないのですが)して買い付けたら16億円の大ヒットになったいわく付きの作品。
そもそも叶井俊太郎の買い付け方針が「大手配給会社が見向きもしないエログロ変態映画から恋愛映画まで(いわゆるB級C級映画)」。
「アメリ」以前の叶井買い付け作品って「八仙飯店之人肉饅頭」「ネクロマンティック」「キラーコンドーム」ですよ。この流れで「じゃあ次はアメリ」なんてなるわけないじゃないですか
バイヤーの勘(違い)って凄いです。
さて、アメリで印象深かったのは、アメリ自宅のお食事シーン。
パルミジャーノチーズを振りかけただけのシンプルパスタ(タイトル写真)。
この貧乏臭さすら「お洒落」に還元してしまうのがこの映画のマジックです。
これぞ究極のシンプルパスタ…と思いきや上には上が。登場したのは、
「モモ」(1986年/ヨハネス・シャーフ監督)
「ネバーエンディング・ストーリー」に続くミヒャエル・エンデ原作の映画化。
人々が時間貯蓄銀行のエージェントに奪われてしまった「時間」を取り戻すために戦う少女モモの物語(児童文学ですが寓意の佃煮)。
この中でモモと道路掃除夫のベッポの食事シーンに出てくるのがパスタ。
何とただ茹でただけ。正に究極のシンプルパスタ。
それでも何故か美味そうに見えるのが映画の力(食器ってホント大事)。
「アメリ」(デジタルリマスター版)は11月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロスペースほかで全国公開。
うっかり素通りしてしまいましたが、一昨日10月25日は「世界パスタデー」でした(1995年のこの日、イタリアのローマで「第1回世界パスタ会議」が開催されました)。
★アニメパスタ選手権はこちら。
★かれこれ15年前に書いたレビューはこちら。
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