デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

クロックワークスに学ぶ商いの心。ガイアナ人民寺院の悲劇

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『私が死ぬ時は皆も死ぬ時だ!』(←究極の自分勝手)


「ビッグマグナム77」「エアポート77」「燃える昆虫軍団」「アメリカン・ゴシック」・・いずれも曼荼羅畑を飾った“素敵な”作品ですが、これらの主役・準主役(一部脇役)が一堂に会したオールスター映画、それが、

ガイアナ人民寺院の悲劇」
(1980年/ルネ・カルドナ・Jr.監督)


ご存知、ジム・ジョーンズ率いるカルト教団が1978年に引き起こした“集団自殺”の映画化。

死者914名(信者のみ。視察団含まず)。内300人くらいは強制投薬もしくは射殺だったようですが、その顛末が見世物的軽薄さで描かれていきます。

ガイアナのジャングルを切り開いて建てられたジョーンズ・タウンはユートピアとは名ばかりの強制収容所

食い物盗んだガキは蛇責め、水責め、電気責め。勝手にSEXしたカップルは公衆の面前で男も女も黒人の餌食。

実に人でなしな描写ですが、「ま、事実だから仕方ないよね」で済ましちゃう製作者は業界人の鑑。

クライマックスは勿論、集団自殺

「いやぁ!死にたくない!」と叫ぶ信者の口こじあけて毒を盛り、逃亡者を撃ち殺し、累々たる屍大通りを築く様は圧巻・壮観・阿鼻叫喚。

でも一番驚いたのはビデオ販売者クロックワークスの営業方針。

集団自殺なんて辛気臭い話じゃ売れねーよとばかり、大鉈振るうイメージ戦略。

まず、頭に女囚ファイル(番外編)とぶち上げ、ジャケットも目隠しされた全裸女性の後姿(写真下)という完全エロ路線。

更にキャッチが“女体に染み込む被虐愛。快楽を超えた究極のマゾヒズム”・・って、そんなシーンどこにもねえよ!

こーゆー事するのって叶井俊太郎在籍時のアルバトロスくらいだと思っていましたが、クロックワークスもやる時ゃやるんですねえ。

いやあ、勉強になります。商いの基本、教えて頂きました。