『必ず助けに行く(から囮になれ)』
『(自分が)善人だって言って』
『善人ではないよ。でも狩りは得意なんだ』
金のためなら密輸も辞さない元陸軍第82空挺師団所属のやさぐれハンター、フランク・ウォルシュ(ニコラス・ケイジ)。
ノーマル・ジャガー捕獲の依頼を受けてブラジルの熱帯雨林で張り込んでいたら、高額希少種ホワイト・ジャガーがこんにちは。
麻酔で眠らせたホワイト・ジャガーは他の違法捕獲動物(猿とか毒蛇とか)と一緒にオンボロコンテナ船「ミマー号」へ。
その船には猛獣よりタチの悪い相乗り客が。
リチャード・ラフラー(ケヴィン・ドゥランド)。ペルーの過激なテロ組織の中心的暗殺者。NSA(国家安全保障局)の対テロ任務に就いていましたが帰国命令に従わずブラジルに逃亡。死体の山を築いて逮捕。
船内では「レクター博士ですか?」な重警備体制。
指揮を執るのは連邦検事ポール・フリード(マイケル・インペリオリ)。そして神経学者にして海軍大尉のエレン・テイラー博士(ファムケ・ヤンセン)。
要するに海版「コン・エアー」(コン・シップ?)です。
何故、飛行機ではなく船なのか。
ラフラーの左脳には「動静脈奇形」があり、気圧の変化で血管が破裂する可能性が。
船でもアンデスの高地から海上という高度差で気圧が変化。危険がなくなったわけではないので、エレンが同乗、という建て付けです。
あっさり見張りを皆殺しにしたラフラーは、ホワイト・ジャガーを始めとする猛獣軍団を解き放ち、操縦室を制圧して進路変更。フランクとエレンは反目しつつもラフラー捕縛に立ち上がり…。
なかなかなカードを揃えてはいるのですが…。
「ザ・ビースト」(2019年/ニコラス・パウエル監督)
ジャガーvsハンターvs暗殺者という三つ巴の戦いを期待しましたが、猛獣はお飾りでした。
ラフラーの「動静脈奇形」という設定も発作の演技に使われただけで、お話には絡まず。
これ、主役がニコラス・ケイジでなかったら、かなりグダグダなB級(TVMレベル)のアクション映画になっていたと思います。
盛り上がらない脚本をやる気の無い顔力だけで「魅せる」映画にしてしまう。
やっぱりニコラス・ケイジってスーパースターなんですね。
★仕事を選ばないニコラス・ケイジ出演作あれこれ。
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