デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【やはり子門真人は燃える】ファイヤーマン #1【そして誠直也も燃えていた】

円谷プロ創立10周年記念番組にして日本テレビ開局20周年記念番組。

「怪獣特撮番組の原点に還る」「本格的なSFへの回帰」「海と地底への挑戦」を謳い、他の特撮作品ではコストの問題から敬遠されていた海底や地底での撮影に円谷プロが挑むというやる気満々マンな立ち上がりを見せたものの、怪物裏番組サザエさん」に敗れて散った不遇の作品。

「ファイヤーマン/第1話・ファイヤーマン誕生-恐竜ドリゴン・ドリゴラス登場-」(1973年1月7日放送/大木淳監督)

主役は2年後にアカレンジャーとなる誠直也(地質考古学研究室で働く岬 大介という役柄)。

元々普通の人間ではないので、特撮第1話のお約束「いかにして主人公はスーパーヒーローとなったのか」が丸っとサクっと彼岸の彼方。

岬 大介は、1万1,500年前、小惑星ステロイドBの地球衝突で海底深くに没した(しかし衝突を予知して地底に移住した)アバン大陸の民族の末裔(要するに地底人←テレスドンを操っていた人ではない)。

地球の危機を予知した地底人類が、地球を守るためにマグマのエネルギーで変身する能力とともに地上に送り出したという「なんじゃそりゃそりゃ」な設定。


どう考えても懐に入らないくらいでっかいファイヤースティック取り出して変身した時は「いきなり何やってんだよお前!?」と思いましたが、まあ、そんな事情があったのなら仕方ありません。

脇に岸田森平泉成(クレジットは平泉征)という個性派揃えた贅沢仕様。


破顔する平泉、ちょっとコミカルな岸田森はレアかもしれません。

お話は「ゴジラ」(島に伝わる伝説)、「シーゴラス/シーモンス」(海からつがいの恐竜が現れて波ざっぱん)など過去作の縮小再生産で新味は無し。


煽りナレ(村越 伊知郎←裏番組「サザエさん」の波野ノリスケ)も、力は入っているものの一本調子で盛り上がらず(ホント「ウルトラマン」の石坂浩二は上手かったんだなぁと改めて)。

本作の特筆一番は何と言っても子門真人の主題歌。

作詞・阿久悠、作曲・小林亜星。こいつが燃える。

「ファイヤーマン」の企画段階の没タイトルはレッドマン

レッドマン」は、「ファイヤーマン」に先立つ72年4月より同じ日本テレビ系で放送されていた円谷作品ですが、こちらの主題歌も子門真人(作曲は山下毅雄!)。

同じく72年10月よりTBS系で放送が始まったアイアンキング(作曲・菊池俊輔)、73年1月より(つまり「ファイヤーマン」と丸被りで)放送されたジャンボーグA、73年4月よりやはり日本テレビ系で放送が開始された「流星人間ゾーン」、その翌月5月開始のキカイダー01全部、子門真人です(「ジャンボーグA」は谷あきら名義)。

どれも名曲。子門真人の朗々たる伸びやかな歌唱が特撮ヒーローの誉れを上塗りしています。

悩んだら子門真人、疲れたら子門真人、走り出すなら子門真人です。

因みに主役・誠直也も爆炎に飲み込まれて燃えておりました(アカレンジャー予行演習か!?)。



★ご参考

 

 

 

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★本日11月4日はマシュー・マコノヒー(1969~)の誕生日(おめでとうございます!)

何故か相性が今ひとつなビッグネーム。わたし的には「う~ん」だった作品をひとつふたつみっつ。