
特撮モノに限らないですが、第1話というのは世界観と諸設定の説明、キャラクター(特に主人公、ヒーロー)の押し出しといった起点を担う重要回。
視聴者(特に子供)の心を掴めるや否やは全て第1話に掛かっています。
作り手も気合十分ですが、十分過ぎて突っ込み所満載なのも1話の特徴。
令和元年1発目は特撮ヒーローの歴史を塗り替えたこの1本から。
「ウルトラマン/第1話・ウルトラ作戦第一号」(1966年7月10日TBS放送/円谷一監督)
1話のイメージを決定づけたのは、何と言っても変身のシークエンスに続く石坂浩二のナレーションでしょう。
気負わず淡々と、しかしどこか熱く送られるエール「それ行け!我らのヒーロー!」は実にエキサイティングでした。

もうひとつ、1話の印象を揺るぎないものにしているのが、タイプAと呼ばれるウルトラマンマスク。
後にスマートなタイプBを経て現在最もポピュラーなウルトラマンとして定着している硬質なタイプCと比べるととても同一人物とは思えないデコボコ皺皺な御面相。
当初、ウルトラマンは口を動かして喋るという設定でした(口から液状の“何か”を飛ばすシルバーヨードなる必殺技もあったらしい。←不採用になって良かった)。
口が動くようポリやFRP素材ではなく、合成ゴム(ラテックス)で作ったのがデコボコ皺皺の原因。
カットによってはスーツアクター古谷敏さん(後のアマギ隊員であった)の「歯」が見えるという恐ろしいシーンも。

ラバー独特の凹凸、樹脂の型を顎の部分で分けたためゴムが伸びて出来た皺、開いた口と垣間見える歯、どれも駄目駄目(実際、監修の円谷英二が「これ止めよう」と言って13話を最後に姿を消した)ですが、私はこのタイプAが大好きです。
何故ってどれも実に宇宙「人」っぽい特徴じゃないですか。
初代マンと言えばタイプA。
現在、バンダイビジュアルから昭和ウルトラマンの第1話を集めた「ファーストエピソード編」Blu-rayが発売されています。

「ウルトラマン」に始まり「セブン」「帰りマン」「エース」「タロウ」「レオ」「80」の第1話を収録。
1話に込めた熱気とその熱気がダダ漏れした穴を楽しむ事ができます。
他の作品第1話もいずれ機会を見て御紹介していきます。
※今回、第1話を観直して改めて思いました。ホシノ少年は本当に邪魔だ!
★タイプBマスクについてはこちらを。