本日11月3日は「レコードの日」。
「レコードは文化財」という考えから、日本レコード協会(RIAJ)が1957年(昭和32年)に「文化の日」を記念日として制定しました。
♪A面で微笑んで ドーナツ盤の上で
(「A面で恋をして」byナイアガラ・トライアングル)
という歌詞の意味など若い人には異次元言語でしょう。
「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります 」でも少女がレコードプレーヤーを見て『これは何?』と訊いています。
『これはターンテーブル。レコードをかける時に使うんだよ。このレコードはLP。Long Playの略だ。この小さな針をとても慎重にレコードの上に置く。すると…私はこの曲が好きなんだ』
モーガン・フリーマンが宝物を扱うようにお気に入りの曲を披露していました。
レコードは最早、存在自体が郷愁の産物です。
レコードに関する印象的なシーンを場面ごとに見ていきましょう。まずは「録音」。
録音シーンで印象深いのは「クロスロード」(1986年/ウォルター・ヒル監督)冒頭。
ロバート・ジョンソン(ティム・ラス)の「クロスロード」録音シーン。
録音技師が2名。繊細なメンテをしながらの録音。
日本で録音と言ったら「日本のいちばん長い日」(1967年/岡本喜八監督)。
ただでさえ扱い慎重にしなければならない精密機材なのに、録っているのが「玉音」。
関係者は爆弾解体を上回る緊張を強いられたことでしょう。
無事録音できたはいいが、録れた音はとんでもない代物だった、なんて事も。
「伊藤潤二 コレクション/第7話・No022 中古レコード」(2018年/村上勉演出)
死後に吹き込まれたと言う「ポーラ・ベルのスキャット」。伝説の逸品。希少盤。あるはずがないと思っていたものが、もし目の前にあったら…。
希少盤を求めるのはコレクターの定め。
レコード・コレクターはしばしば「変人」のメタファーになります。
タイトル画像に使ったのは「WXⅢ 機動警察パトレイバー」に登場した久住刑事の自宅。妻も子も出て行ってしまった中年刑事の心象を語るのは壁を埋め尽くすアナログレコード。
そして印象的レコード・コレクターと言えば「ゴーストワールド」(2001年/テリー・ツワイゴフ監督)のシーモア(スティーヴ・ブシェミ)。
ガレージショップを開き、同好の士と交流し、でも世間と足並みをそろえることは出来ない不器用人生。
レコードに限った話ではありませんが、コレクターは孤独です。
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