曲の冒頭がほんの僅か。たったそれだけなのに作品のカラーを決めてしまう程のインパクト。
道行くシスターの衣装をはためかせる風にすら禍々しい物を感じてしまう名曲。作品は「エクソシスト」。曲は勿論、
チューブラー・ベルズ/マイク・オールドフィールド
1973年.ヴァージン・レコード第1回新譜。
ほとんどのパートをマイク・オールドフィールドが演奏して多重録音(繰り返す事2,400回!)。ボストンのトム・ショルツと並ぶ究極の一人上手。
有名な話ですが、エクソシストのサントラは本来ラロ・シフリンが担当するはずでした。
実際、曲も作って監督にお披露目(奥さん連れていたようなのでよほど自信があったのでしょう)したのですが、相手が悪かった。
役者のリアクションを撮るために現場でショットガンぶっ放す“悪魔に憑りつかれた”監督ウィリアム・フリードキンはラロのスコアを聴いて激怒。
怒号と共にオーケストラの演奏を中断させると録音テープをレコーダーから引きはがして道に投げ捨てたんだとか。
実は8年くらい前にとある輸入盤ショップでラロのスコアを収録した海賊版サウンドトラックを見たことがあります。
「はうあ! こ、これは悪魔が道に投げ捨てた大凶サントラ!」
かなり悩みましたが、お値段がちと、いやかなり法外。泣く泣く棚に戻し、1礼2拍手してその場を去りました。
う~ん、無理しても買っておけば良かったかなあ…。
…と思ったらtubeに落ちていました(笑)。
Lalo Schifrin - The Exorcist(Rejected Score)
サイコチックなおどろおどろしい(ややコケ脅しな)導入部からしっとりとした(オールドファッションな)ピアノ伴奏へ。
悪くはないですが、やはりここはチューブラー・ベルズを選択した悪魔憑き監督の慧眼を称えたいと思います。