森でキャビンでビッグフットでPOV。これだけで大体ストーリーの予想はつきます。そして予想以上の事は何ひとつ起こりません。
究極の予定調和。
「イグジスツ 遭遇」(2014年/エドゥアルド・サンチェス監督)
世界中にフォロワーを生んだ(「俺でも撮れる!」と思わせた)罪な映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」。
その監督が放つ本家にして元祖なPOV最新作。
森のキャビンにバカンスにやって来た男女5人(一人おミソがいるわけですね)。
途中、車に何かぶつかったような気がしたがあれは一体‥。
今回最大の工夫は、カメラの台数が多いこと。手持ちにヘルメット固定に動体感知とバリエーションが豊富なので次々視点を切り替えることができます。
いつもながらの弱点は、カメラがぶれる、暗い、見難い。
痛感したのは、画が写っている=撮影者がいる、という当たり前の事実。
つまり敵(この場合、ビッグフット)の主観で近づいてくるという描写や、神の目のような映画的アングルは存在しえない、という事なのですが、この事に気づいてしまうと一気に緊張感が損なわれます。
ひゃっはー!
スーパーナチュラルな何かではなく、身も蓋もなくビッグフットなので、これなら別にグリズリーでもいいんでね?と思わせてしまうのもマイナスポイント。
結局、ウリはPOVであるという“見せ方”のみ。同じシナリオで普通に撮ったら、とんでもなく退屈なものになりそうな気がします。
ぼちぼちPOVは禁じ手にした方がいいのではあるまいか。