『結局、人間しかいなかった。「お化け屋敷」ではなく「人間屋敷」に改名すべき』
『それただの民家じゃん』
ちょいツボだったようで、不覚にも吹き出してしまいました。
四人目の適格者は効率だけを最優先し他の全てを切り捨てる知的でクールでナイスバディな女の子。
「君のことが大大大大大好きな100人の彼女/第5話・効率的な彼女」(2023年11月5日TOKYO MX放送/熨斗谷充孝演出)
貼り出された試験結果で全教科満点、ぶっちぎりで学年1位、実はAIなのではという都市伝説まである栄逢 凪乃(えいあい なの)。
恋太郎と目を合わせた瞬間、ビビーンと電撃。この子も運命の人なのか!?
全身ATフィールドな「近づくな」オーラをまき散らしている凪乃さんですが、生物の実験(タマネギの表皮細胞の観察)の際、カミソリで切ってしまった恋太郎の指を迷わずに口に(レロンレロンな舌使い)。
『唾液には殺菌力がある』
脈があるのでは、と早速、様子見を兼ねたアプローチを開始する恋太郎ですが、凪乃は感情交流の全てを否定。
恋愛無意義、思い出無意義、楽しいも無意義。
『そんな時間を過ごした経験、私には無い。でも分かる。そんな時間は無意義。楽しい時間をどれだけ過ごしても、テストの点は上がらない。どんな評価とも結びつかない。“楽しい”からは何も得られない』
さっさと会話を切り上げて去っていく凪乃ですが、自宅では…。
(私はなぜあんなことを……!? 一体、この感情は何…!?)
昂った感情は円周率で鎮め…られない!
進退窮まった凪乃は恋太郎に告白、恋太郎からフッてもらうことでこの感情にケリをつけようとしましたが、恋太郎が受け入れてしまったのでマッハ逆拒絶。
しかしそこは100回失恋経験を持つ策士、キッパリ恋を終わらせたい栄逢さんにとって、いつまでも俺から好きでいられるのは不都合なんじゃないか?というロジックで「(栄逢さんを諦めるための口実としての)1日だけデート」を提案。
何としても伝えたい。「楽しい」には「価値がある」と。
場所は遊園地。何気に恋太郎初デート。
私服栄逢さんに至福恋太郎。
恋太郎の秘密兵器はインスタントカメラ(チェキですね)。
『ネガもデータも残らず、写真を紛失すれば記録そのものがなくなる出来損ないの撮影機。理解不能』
その出来損ないの撮影機で記録されて行くデートの様子。終わってみれば…
『とても楽しかった。想定よりもはるかに。でもやっぱりそれだけ。“楽しかった”だけ。何を得る事も出来なかった。無意義な1日だった』
『じゃあ…まあ…仕方ないけど…無意義だった今日、過ごす価値のなかった今日の事は、なかった事にしよう』
撮った写真を束ねると、ライターで火を…。
喫煙者でもない恋太郎がライターを持っている時点で、ここまでが仕込みと分かりますが、炎が写真に触れた瞬間…
賭けは恋太郎の勝ちでした。
『持っていない物を失う事はできないよね。でも、栄逢さんは今、失う事を恐れた』
それは栄逢さんが今、何かを、失いたくないと心から思える程に“価値のある”何かを得ている事の証。
改めて恋太郎に交際を申し込む栄逢さん。こちらこそよろしく、と恋太郎が差し出した手をとると、
『…したい事は手順にとらわれず行動した方が-効率的』
エピローグは毎度お馴染み既存彼女に新彼女の紹介コーナー。
総員パンチドランカー状態でツッコミ放棄。神様による感情補正が入っているのだとは思いますが、ここでトゲトゲしくならない(どころか彼女同士でカップルが出来そうな勢い、いや実際できちゃうのですが…)のが本作の良い所。
次回、水着回!
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★本日11月7日は、初代レザーフェイス、ガンナー・ハンセン(1947~2015)の命日。
遺作となった「ホラー版エクスペンダブルズ」をどうぞ。