『カナトコを作るぞ』
We’re going to make an anvil.
『はああ!? ちょっとオルクボルグあんたねえ！』
Huh!? Hey, listen here, Orcbolg!
『守りを固める。プロテクションだ、急げ』
We’re going to strengthen our guard. Hurry and use Protection.
『ムカつくんだけど！ 後で謝ってよね！』
You’re really pissing me off! You’d better apologize to me later！
『意味が分からん』
I don’t follow.
ゴブスレさんの辞書に女心という文字はありません。
鉱人道士（ドワーフ）が妖精弓手（エルフ）をからかう時に使う「カナトコ（金床）」は「まな板」「洗濯板」（←今リアルで使ったら殺されると思います）と同義（ドワーフは鉱業職人なので、自分たちが使う工具で例えたのでしょう）。
まあ異世界深夜アニメだからスルーされている「差別用語」ですが、ゴブスレさんにとって「カナトコ」は軍事戦術用語です。
「ゴブリンスレイヤーⅡ／第9話・かつてあった青春 今そこにある灰」（2023年12月1日深夜TOKYO MX放送／髙田美里・関野関十演出）
海ゴブリンが漁場を荒らしているというので出張って来たら、そこにいたのは魚の顔をした水棲種族・鰓人（ギルマン）。
おお、ギルマンハウス（インスマウス唯一のホテル）のギルマンか、と思ったら彼ら曰く、
『星の海より降り来たれり大いなる蛸神様が私たちの祖よ！』
まんまクトゥルフじゃねえか（笑）。つまり鰓人（ギルマン）は「深きものども」なわけですね。
漁場を荒らしていたのはシーサーペント（巨大な海蛇。UMAの一種）でした。
シーサーペントを倒してギルマンの疑惑を晴らしたゴブスレさん一行にはギルマンから謝礼（通貨は持ち合わせていないので宝石系）が。
各々好みの物を取って残りを換金。ゴブスレさんが取ったのは綺麗な（多分宝石化している）貝殻。誰のためにってそりゃあもう…。
『土産がある』と言った瞬間、ぴょんぴょん跳ねて喜ぶ牛飼娘。
『ホントに貰っていいの？ 海でのお仕事だったっけ？』
『ああ』
『ありがとー！❤ 大事にする！❤ 絶対なくさないからね❤』
もう台詞の間が❤まみれ。今期、牛飼娘のメインヒロイン度うなぎ昇りです。
何を言っているの？メインヒロインは私よ、と（言ってませんが）割り込んで来たのが水の都の大司教、剣の乙女。
再会の挨拶はメインヒロインだけに許される決め台詞『来てしまいました』。
会議出席のため都に出向かなければならないのですが、途中の街道にゴブリンが。
ゴブリン相手の護衛任務なら他の冒険者でも、と側近は諫めますが「ダメダメダメ。ゴブさんじゃなきゃヤダヤダヤダ」と（言っていませんが）駄々捏ねまくる大司教。
ふくれっ面の剣の乙女、可愛いです。
出発はまず牧場に立ち寄って…。
もはや敵を見る目になっている神官ちゃんと、新たなライバル出現に不安を隠せない大司教。
神に仕えしラブコメの乙女たち。
ゴブリンの襲撃は夜。
『守勢に回るというのはどうにも性に合いませぬなあ』
『同感だ。外へ回れるか？』
『出来ないと言う言葉はいささか我らの言葉では表せませぬなあ』
ゴブリンの背後に回る蜥蜴僧侶（リザードマン）。
ここでゴブさんが残りの者に出した指示が冒頭挙げた『カナトコを作るぞ』
金床戦術（hammer and anvil）とは、軍を二つの部隊に分け、一方が敵を引き付けているうちにもう一方が背後や側面に回り込んで敵を包囲し、挟撃する戦術を言います。
回り込んだリザードマン（と竜牙兵）がハンマー、プロテクションがアンヴィルという訳です。
『なるほど。槌（つち）と金床でありますな』
英語字幕だと「Ah, I see. A hammer and anvil」となっているので誤解はないと思いますが、日本語だと「つち」が一瞬「土」に聞こえるので（金床が何か分からない人は更に）混乱しそうな気がします。
金床のビジュアルが思い浮かばない人はアンヴィルのジャケットを見てみよう。
狩り逃しを危惧しつつ都へ着いたゴブさん一行。門の向こうは大都会。中はどうなっているのでしょう。
★ギルマンやら蛸神様についてはこちらを。
★ついでと言っては何ですが…
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★本日12月3日はジュリアン・ムーア（1960～）の誕生日（おめでとうございます！）
本編よりもムーアのお肌が気になってしまったこちらを。
