デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【何故、服を着ている!?】ゴブリンスレイヤーⅡ ♯11-12【何故、ここにショゴスがいる!?】

銭湯で神官ちゃんの衣装・装備一式ガメて、颯爽と冒険の旅に出た途端、ゴブリンの襲撃を受けて拉致られた国王の妹(以下、王妹)。

剣の乙女の警護で都入りしていたゴブリンスレイヤーらが奪還のため追撃。

場所はかつて剣の乙女らが魔王を倒した死の迷宮。

その最深部で行われていたのは魔物召喚の儀式。

王妹は召喚の為の贄でした。

台座に横たえられた王妹は…まだ神官服を…着たままだと!?

ちょっと待て。

宗教違うけどこれ要するに黒ミサだろ? 生贄は全裸が正装のはずでは。


何故、服を着ている?

ゴブリンスレイヤーⅡ/第11話・王女の受難|第12話・祈りよ、天に届いているか」(2023年12月15日・22日TOKYO MX放送/髙田美里監督)

間一髪、召喚阻止に成功したゴブさんら。神官ちゃんが駆け寄ると王妹は無事。その傍らには(多分、王妹なんかより大切な)鎖帷子が…っておおいちょっと待て。


王妹は鎖帷子を荷物として持っていたのか? 違うだろ(荷物としてなら袋に入ったままで、これだけ外に出ていたりしないはず)。

装着していただろ、絶対。とすればそれはインナーと上着の間。それが、脱ぎ捨てたかのように投げ出されているという事は、ゴブリンは、

  1. 一旦、王妹の上着を脱がせ、
  2. 鎖帷子だけを外した後、
  3. 再び上着を着せて台座に横たえた

という事か。

ないわー。いくら邪教団にコントロールされていたとは言え、ゴブリンに限ってそれはない。レントゲンやMRI撮る前の「金属の装着はありませんか?」じゃないんだから。

生贄は全裸。宇宙の法則です。

で、ここでまだ息のあったゴブリンシャーマンが己の肉体を依り代に魔神の手(だけ)を召還(タイトル画像)。

掌から噴き出したブリザードで、室内瞬間雪化粧。神官ちゃんらを庇って楯となった蜥蜴僧侶(リザードマン)ですが、やはり変温動物だったようで、急激な気温の変化には弱いようです。

ゴブさんの策略で手を昇降シャフトに突き落とし、プロテクションで蓋をして下から上がって来た昇降機に押しつぶさせる「鎚とカナトコ」縦バージョンで殲滅。

ようやく迷宮の外に出て見れば、眼前一面ゴブリン祭り。ちいっと分が悪い彼我兵力差。


救ったのは剣の乙女と神官戦士団。

おっと剣の乙女の傍らにいるのは水の都の地下水路でゴブさんたちとも出会っている彼女の使徒(使い魔)、沼竜(ホワイト・アリゲーター)さんじゃありませんか。


『皆さま、敵は小鬼ではありません。混沌の魔人を四方世界に招かんとする祈らぬ者ども、邪神の輩です。一匹たりとて生きて裁きを受けぬように!』

ゴブリン軍団の物量にビビッて、思わずゴブさんの手を握ってしまった神官ちゃんですが、トラウマであるゴブリンを前に震える体を鼓舞して立っている剣の乙女を見て反省。

『私はこの人の力になりたいのだ。いつか必ず』


今回の騒動、裏で糸を引いていたのは、政権転覆と奪取を画策している悪徳貴族とその野望にいっちょ噛みした邪神の教徒でした。

『魔神と星辰の彼方より来たりし者と交わらせ…』

何と、ただ魔神を召還するだけではなく、異種交配(宇宙規模の国際結婚。コズミック・ウェディング)まで画策していたとは。

第11話で勇者様御一行が戦っていた変な生き物、「どう見てもショゴスだよなぁ」と思っておりましたが、これが「星辰の彼方より来たりし者」なら完全にショゴスですね。


第9話では「星の海より降り来たれり大いなる蛸神様」を祖とする水棲種族・鰓人(ギルマン)が出てきたりしていたので、この世界とクトゥルフ世界は交錯しているのでしょう。

お仕事終えて帰り道。自分の選択した生き方を反芻するゴブさん。

『どうすればいいかは分からないが、どうすべきかは分かっている。それしかない』


何も変わらない世界、今日と同じ明日が続く世界を選んだゴブさん。

守るものはただひとつ。この笑顔。


3期お待ちしております。

★「鎚とカナトコ」の復習はこちら。

 

 

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★本日12月24日は脚本家・伊藤和典(1954~)の誕生日(おめでとうございます!)

うる星やつら」に「パトレイバー」。多分、梶原一騎永井豪の次くらいに刷り込まれている人なんじゃないかと思います。

今回はこの3本立てで。