デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【それが我が務めなら】ゴブリンスレイヤーⅡ ♯10【俺が行こう。死の迷宮へ】

『で…なんぞ悩んどるな、かみきり丸』

『分かるのか?』

『分からいでか。一党を組んで1年ちょいだぞ。只人(ヒューム)の人生が50年とすりゃ、50分の一、こりゃ結構な数だ』

おお、人生50年。この世界の平均寿命はそんな感じなんですね。

ゴブスレさんの悩みは自身の務め。ゴブリン殲滅ではない「冒険」も楽しかったと述懐できるが、その度にゴブリンの影がチラつく。であるならば、ゴブリン退治こそが自分の務めなのではあるまいか。

『務めか…』

『そうとも。俺はゴブリンスレイヤーだ』

名前はアイデンティティ。だからこそ名乗りは常にドラマ。

ゴブリンスレイヤーⅡ/第10話・都邑の冒険(シティ・アドベンチャー)」(2023年12月8日深夜TOKYO MX放送/半田大貴演出)

剣の乙女の護衛任務を無事果たし、都で暫しの休息となったゴブさん一行。

己の務めを改めて考えるゴブさんに投げ返した鉱人道士(ドワーフ)の問い。

『剣をどう鍛えるか知っているか?』

熱し叩き冷やしまた熱する。全部要る。どれが多くても少なくてもいかん。

『柔(やわ)い剣はしなるが、打ち合いには弱い。硬い剣は斬れるがすぐ折れる』

その上で問う。

『良い剣とは何ぞや?』


答えはどこにもありません。分からないまま生きる。悩むことが生きる事。

一方、神官ちゃんは妖精弓手(エルフ)と連れ立って墓地へ。


『遅くなりました。ゴブリン、退治していますよ、まだ。あなたに怒られたみたいにびくびくしながらやってます。弟さんにも会いましたよ。私が教える立場になってしまいましたけど。怒らないでくださいね』

そこに眠っているのは1期1話で神官ちゃんが初めて入ったパーティにいた「眼鏡を掛けて杖を手に持つ女性の魔術師(女魔法使い)」。


苦い思い出。でもあの場所に行かなければゴブリンスレイヤーには出会えなかった。

しんみりする神官ちゃんをエルフが連れて行ったのは大浴場。

『風呂は命の洗濯よ』by葛城ミサト


そこは浴場はもちろん運動場、サウナ、軽食まで備えた「スパ・リゾート」。


脱ぎ方も大胆ですが洗い方もオットコマエな妖精弓手(湯舟には人馬も)。

こすって茹って蒸されて事件。

脱衣場から神官ちゃんの衣類装備一式が消失。服よりも杖よりも鎖帷子が。破けても古びても買い直さず修繕して使っていた「ゴブリンスレイヤーさんが初めて褒めてくれた」鎖帷子が。

犯人は浴場で声をかけてきた少女。正体は国王の妹(第一王女)。


国王溺愛籠の鳥で外の世界(冒険者)に憧れ、背格好の似ている神官ちゃんの装備をガメて商人馬車に乗り込んで都の外へ(厄ネタですね)。

で、お約束のゴブリン襲撃。そのまま拉致。


ゴブさんから浴場の一件を聞いていた剣の乙女が御前会議で「私の大切な友人が神官服を盗まれた」と報告したタイミングで「王女が神官姿で家出、ゴブリンと遭遇して攫われた」という耳を疑う一報が。側近はすぐに救援を!と進言しますが、

『我が妹が城を抜け出し、神官から盗みを働き、小鬼に攫われたから軍を送りこめと!?』

国王さん、一応は常識人のようです。

他国へのスキャンダル漏洩を防ぐには信頼のおける冒険者に頼むしか…。

しかも想定される巣の場所は「死の迷宮」。その最奥。誰でも行きつける場所ではない。その場所を知っているのは…剣の乙女。しかし、「ゴブリンの巣窟に潜れ」は剣の乙女にとって「死ね」と同義。

行動を起こしたのは冒険者訓練所設立の進捗報告に来ていた女商人。彼女は劇場版『ゴブリンスレイヤー -GOBLIN'S CROWN-』のメインヒロイン・令嬢剣士のその後の姿。

つまりゴブさん一行とは既知の仲。


盗難事件の当事者で相手はゴブリン。断る理由がありません。

『話は聞かせてもらった。やはりゴブリンか…俺が行こう

それが自身の務めなら。俺はゴブリンスレイヤーなのだから。

★プレイバック1期1話。それは出会いの物語。

★劇場版のご紹介はこちら。

 

 

 

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