デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【寡黙なダンディズム】追悼:木戸修【燻し銀のポーカーフェイス】

プロレスラー木戸修さんがお亡くなりになりました。

12月11日。救急搬送された横須賀の病院にて。73歳。

1969年2月21日に日本プロレスでプロレスデビュー。

1972年3月に新日本プロレスの旗揚げに参加。

ゴッチをして「息子」と呼ばしめた究極の技巧派。

「ゴッチさんに誘われたから」という理由で第1次UWFに参加した男。

「ゴッチさんがいないから」という理由で新生UWF移籍を拒んだ男。

個人的には縁もゆかりもないのに何故か札幌で大人気。「札幌男」と呼ばれるまでに(何かKISSとデトロイトの関係に似ているな)。

その札幌で行われた「デビュー30周年記念試合」

1999年2月5日札幌中島体育センター。30分1本勝負。相手は木村健悟


互いに黒のショートタイツ。それはストロングスタイルの正装。新日本の戦装束。

木村がドラゴンスクリューを見舞えば、木戸も同じ技で返す。放った後も足は決して離さない。


木戸の脇固めの猛攻を凌いだ木村が稲妻レッグラリアットで活路を開きますが、不用意にジャーマンに行こうとした所を切り返しされてトドメの脇固め。

7分57秒、木村がタップ。


木戸と言えば、この脇固め、キド蹴り、キドクラッチが思い浮かびますが、個人的推し技はドロップキック。

打点が高く、インパクトの瞬間、溜めた身体が綺麗に伸びる芸術的ドロップキックでした(私の中では谷津か木戸か、な使い手)。

どんなに激しい試合の時も髪型だけは崩さない。

寡黙なダンディズム。燻し銀のポーカーフェイス。

謹んで哀悼を。

 

★木戸も参加した新日本プロレス旗揚げ興行。

 

 

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