デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

日本最低気温の日記念。 ウルトラセブン/零下140度の対決

『基地はもうすぐだ。基地に着けば、温かいコーヒーとスチームが俺を待っているぞ』

本日1月25日は「日本最低気温の日」

1902年(明治35年)のこの日、北海道上川地方旭川市で日本の気象観測史上の最低気温であるマイナス41.0℃を記録しました。記念してこちらを。

ウルトラセブン/第25話・零下140度の対決」(1968年3月24日放送/金城哲夫脚本、満田かずほ監督)

突如、地球防衛軍基地を襲った冷凍室のような異常寒波。

ポインターで基地に帰還する途中だったダンですが、ポインターエンスト。車を捨てて徒歩で。

外は零下112度。


地下18階の動力室では原子炉があかあかと燃えていると安心していた矢先、地震のような振動と共に基地停電。

動力室がドリルのようなもので突き破られて壊滅され、穿たれた壁の穴からは怪獣の顔が。口から直接冷気(冷凍光線)を噴出。火炎銃も効果無し。


シャッターが開かないためマグマライザーもホークも出せません。

一気に下がる気温。ついには零下140度まで。

北半球、シベリアのオイミヤコンの最低気温がマイナス71度。南極(ボストーク)でもマイナス89.2度。人間の限界をはるかに超えた気温低下にバタバタと倒れる隊員たち。

動力室を預かるアラキ隊員は300名の隊員全員の退避を長官に具申しますが…

『基地を見捨てることは地球を見捨てる事と同じだ。我々は地球を守る義務がある。退却はできん』

その判断の遅れが命取り。更に重なる凍死者。

『眠ったらおしまいよ。体を動かすの!起きて!起きなさい!

女神アンヌの一喝。その声は行き倒れかけていたダンの耳にも。

必死に基地を目指すダンの前に幻覚として現れたポール星人。

『光の国が恋しいだろうね。ウルトラセブン


何とポール星人はこれまでに2度も地球に氷河期をもたらしていたという。つまり、今回で3回目。

遂に動力室修復部隊も生存者4人に。アラキ隊員が再度の直訴。

『もう我慢できません。隊員がどうなってもいいとおっしゃるんですか⁉ 全員ここで討ち死にしろとおっしゃるんですか!?』

『アラキ隊員、君には長官の気持ちが分からないのか!?』

『分かりません!いいえ、分かりたくありません!使命よりも人命です。人間一人の命は地球より重いって隊長はいつも私達隊員に…』

『キリヤマ隊長、アラキ隊員の言う通りだ。地球防衛軍の隊員も一個の人間。人間の命は何より大切だ。退却しよう』

しかし、動力室では頼みの綱、ムカイ班長も…

『我々は全力を尽くして頑張った。だが、外部との通信も、応援も全く断たれてしまった。これ以上、犠牲者を出す事は長官の本意ではない!涙を飲んで、我々は一時、基地を退避する!』

このエピは怪獣相手にも宇宙人相手にも無双してしまうウルトラセブン「寒さに弱い」という弱点がある、ということが示すのが目的だったようですが、ドラマとしては「現場指揮官の矜持」が全面に出ていた「熱い」回でした。


撤退命令の出た後にひとり残ったフルハシ隊員が気合と根性とご都合主義で動力を回復。命より大事なウルトラアイを落とすと言う減俸降格レベルのチョンボをしたダンですが、こちらもご都合主義的に再取得。太陽の近くまでかっ飛んで太陽エネルギーを急襲したセブンが冷凍怪獣ガンダーを首チョンパ


ポール星人は『お、お前に負けたわけじゃないんだからね!地球人の忍耐と使命感に敗れただけだからね!やーいやーい寒さに弱いウルトラセブン!』的な捨て台詞を吐いて撤退したのでした。

★ご参考で凍死絡みのアニメをひとつふたつ。

 

 

 

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★本日のTV放送【13:40~テレビ東京午後のロードショー

 

★追悼:ノーマン・ジュイソン監督★

ノーマン・ジュイソン監督が1月20日、97歳でお亡くなりになりました。

シンシナティ・キッド」も「屋根の上のバイオリン弾き」も好きですが、わたし的にはやっぱりこの2本ですねえ。

ご冥福をお祈りいたします。