寺田農氏がお亡くなりになりました(なっていました)。
3月14日(公表23日)。肺癌。81歳。
映画、舞台、ドラマはもとより、特撮、アニメまで幅広く活躍。
声優としてのお仕事は多くはありませんでしたが(外国映画の吹き替えを除けば)初挑戦となった「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐(ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ)役で一気にレジェンドに。
収録時、後半の絵がまだ出来上がっておらず「時間」の指示だけで時計を見ながら台詞を読んだそうです(そりゃ思い入れが薄くなっても仕方ないよなあ)。
また、演技をめぐって宮崎監督と「揉めた」らしく(トラウマになったと言っているくらいなので結構な揉め方をしたのでしょう)、公開後も「ラピュタ」を観る事はなかった(後年、娘の持つDVDで初めて鑑賞した)という「心温まる」エピソードも。
因みに英語吹き替え版でムスカを担当したのはマーク・ハミルでした(何故かこの人の名前を見るとちょっと嬉しい)。
ムスカの得物は「エンフィールドNo2ポリス・エクセレント」。
映画の印象一番はやはり岡本喜八監督の「肉弾」。
特攻隊員にされて「神」となり、1日だけの外出を許されたものの死ぬことの意義を見いだせない「あいつ」が出会った一人の少女。
『これで俺は死ねる!君を守るために死ねるぞ!』
ドラマでは「Gメン75/第1話・エアポート走査線」。
寺田氏の役どころはクールな殺し屋・北斗。
得物はルガーP08ロングバレル。ムスカのエンフィールドと言い、刺さる小道具を使っています。
特撮ではやはり「ウルトラマンマックス/第24話・狙われない街」。何と実相寺昭雄本人による「狙われた街」後日談でメトロン星人を!
特撮絡みでもうひとつ。「仮面ライダーBLACK SUN」。
政権政党の幹事長役でしたが、誰かさんそっくりで笑いました。
では最後に私が一番グッときたエピソードを。
2006年に映画『日本沈没』と映画『日本以外全部沈没』の双方から出演依頼されていたが、どちらに出演するか悩んだ末に後者を選んだ。
素晴らしい。因みに役どころは田所博士だったのですが、もし「本家筋」の方を選んでいたら、豊川悦司の代わりに寺田さんが出ていたのでしょうか(それはそれで観てみたい)。
あれやこれや楽しませて頂きました。謹んで哀悼を。
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