帰る家がない。逃げる道もない。
明日見る夢も ないないない!
カミソリがない。カルモチンもない。
首くくる紐も ないないない!
人間椅子「人間失格」
何をやってもうまくいかない人生でした。この先生きていて一体何の意味があるんだろう。
佐々木常宏(ささきつねひろ)、人生失敗大学生。首吊りは 留め金外れて 痛いだけ。
病院の呼び出し応じて来てみれば、余命2年の死刑宣告。
あと2年ならこんなクソ人生我慢してやってもいいが、結局やっているのはいつものパチンコ(邪神ちゃんと気が合いそうだな)。
優しく肩を叩くのは、お友達…じゃなくて借金取り。
折角、激熱ウルトラ魚群リーチ…からの確変が来たと言うのに。
やっと来たよ やっと来たよ
確率変動
もう終わりだ もう終わりだ
確率変動
人間椅子「銀河鉄道777」
逃げる。追う。逃げる。橋の欄干登って滑って真っ逆さま。
呑まれて沈んで流されて。
『あ~あ、このまま、異世界に転生しないかなぁ…』
目覚めた先は…。
「ネガポジアングラー/第1話・ネガティブアングラー」(2024年10月3日TOKYO MX放送/上村泰演出)
勿論、異世界転生などあろうはずもなく。気が付けば堤防。
近くを走行中の釣り船に乗った釣り人が、佐々木常宏の激しい着水音を聞いて「大物」と勘違い。見事釣りあげてくれたのでした。
ただ、そこは陸地から突き出ている堤防ではなく、沖堤防。海に浮かぶ孤島にして釣り人のパラダイス。
船無しには帰る事もできず、仕方なく釣りを眺めることになりましたが…。
自殺失敗、余命宣告、借金取り立てからまさかの釣りアニメ(正に超展開)。
真夜中ていぼう日誌です。
興味も関心も無い釣りでしたが、進められるままにルアーに挑戦。
一投目は海面を叩いてしまいましたが、2投目は成功。コツを教えてもらって更に飛距離を。
投げ手は引き、引いては投げ、そして遂に鯖ゲット!
ルアーはおもちゃですが、肴にとっては食べ物。喰われたくはない。生きたい。生きたいから逃げる。その動きに誘われてやって来たのが、
『シーバスだ!』
釣り上げることはできませんでしたが、鯖とは比べ物にならない手ごたえ。更に、
『お前、運がいいな』
突如、海面を爆ぜる小魚の群れが。それは、大型の肉食魚に追われた小魚が海面に追い詰められ、逃げ惑う状態「ナブラ」。
釣り人(アングラ―)にとってはサービスタイム。激熱ウルトラ魚群リーチです。
結局、釣果は最初の鯖だけでしたが、佐々木常宏って人、間違いなく「運」だけは持っています。ただ、使い方とタイミングが悪いだけで。
夜が明けて帰港。何とこの釣り人集団、全員着岸地点近くのコンビニの従業員でした。
佐々木を釣り上げてくれた躑躅森貴明(つじもりたかあき)の車でオンボロアパートまで送ってもらったら、アパートは取り壊されておりました。
正に超展開。
そう言えば冒頭「必ず読んでください」の但し書き付きで区役所から封書が届いておりましたね。あれ、取り壊し予告だったのでしょうか。
やはり、運はないかも佐々木常宏。
おまけ
初回キャラ立ち一番は何と言っても借金取りトリオ。悪い奴らには違いないのですが、完全に立ち位置が「ヤッターマン」のドロンボー一味。
『いいかお前ら、釣りがしてぇなら、マグロでもカニでも何ならタコ部屋でも手配してやる! 好きなところにまとめてぶち込んでやるから、そこでじっとしとけー!』
出てくるたびに酷い目に遭うんだと思います。
出遅れてしまいましたが、歌手・俳優のクリス・クリストファーソンがお亡くなりになっていました。
9月28日、ハワイ州マウイ島の自宅にて。死因未発表。88歳。
クリス・クリストファーソンと言えばやはりこの2本。
謹んで哀悼を。