
ポーランド。親からも学校からも疎まれた孤独な少年ノーズが見つけた1発の不発弾。
分解し、構造を理解し、爆薬の特性を学び、手製の爆弾を作り上げ…。
タイトルからてっきり「マッドボンバー一代記」もしくは爆弾版「ロード・オブ・ウォー」的な内容を想像していたのですが全然違いました。
「エクソダス 爆弾に取り憑かれた男」(2021年/パトリック・ヴェガ監督)
母親のネグレクトとDVを受けて育ったノーズは14歳の時に母親の商売(売春宿経営)を横取り(娼婦全員ヘッドハンティング)。
怒り狂った母親をボッコボコにしてビジネス開始。儲けた金で爆弾作り。
地元を仕切っているギャングのみかじめ要求を即決で拒否ったらボッコボコにされたので、ボコッた7人を一人ずつトンカチでドタマカチ割って誘拐。
ギャングのボス、ペルシングを交渉場所に引っ張り出してビジネスパートナーに。

売り物は勿論「爆弾」。次々とペルシングの商売敵を爆殺。誘拐と恐喝も手掛けてメキメキ出世。
とある石油会社のガソリンスタンドに爆弾仕掛けて脅迫したら警察に通報され、やって来た爆発物処理の担当刑事が爆死。
この事件の捜査に当たったのがヤツェク。仲間を殺されたヤツェクは法律なんか知った事かとノーズをでっちあげ別件で逮捕。
入所前にプロポーズしていたレナータが面会に来た時に仕込みの1発、子供ができたからと仮出所を願い出て、ついでにヤツェクの上司(警察庁長官)を銃殺(勿論証拠など残さない)。

怒りに打ち震えるヤツェクはペルシングの配下を脅迫・煽動してペルシング暗殺。密かにペルシングから組織を託されていたノーズは出所後組織を引き継いでギャングのボスに。
ここまで僅か35分! で一気に時計の針が急回転。経過時間はせいぜい10年そこそこだと思いますが、やたらと老けたヤツェクとノーズが再び邂逅。

2人とも最初から何か髪の毛が不自然だなぁと思っておりましたが、そういう事か。
運命の糸を紡いでしまったのはヤツェクの息子ヤレク。
コンピュータおたくの貧乏大学生ヤレクは仲間と金持ち宅のセキュリティを突破して空き巣を繰り返しますが、そのうちの一件が事もあろうにノーズ宅。
絶対に敵に回してはいけない悪魔の持ち物を盗んでしまったヤレクらは窮地に。
進退窮まったヤレクは父ヤツェクに全て告白して助けを請いますが…。
ここでようやく「エクソダス」のタイトル回収。ノーズがファラオ、ヤツェクがモーセ、ヤラクらがエジプトに捕らえられたユダヤ人という訳です。
互いに裏工作、裏切り強要、仲間割れ誘導、関係者誘拐して脅し合いを続けますが、どちらも折れず。死体だけが増えていく…。

裏切者には死の制裁を。
本作の原題は「PITBULL」。2005年に始まる同タイトルのシリーズ5作目(1作目と2作目の間に全31話から成るテレビシリーズ有り)。ポーランドの警察官や犯罪者の物語をもとにしたこのシリーズの主役はヤツェク(アンドレイ・グラボウスキー)です。
正直、本作のオチには納得いかない部分が多々あるのですが、シリーズという建て付けを知って「じゃあしゃーねーか」と言う気分にはなりました。
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