空からサメが降ってくる。
この1発ネタだけが命の完全“出落ち”映画ではありますが、景気のいい無茶さ加減があらゆる感覚を麻痺させてくれます。
「シャークネード」
(2013年/アンソニー・C・フェランテ監督)
巨大なハリケーンがハリウッド目指して大接近。
このハリケーンから逃げる形で多数のサメがカリフォルニア・ビーチで大集会。
ハリケーンで冠水した街には所構わずサメが出没。
更にこのサメの大軍をトリネードが吸い上げて内陸部に雨あられ。
ハリケーン×トルネード×サメ。大盤振る舞いです。
一応、冒頭でサメに酸素ボンベ咥えさせて銃でドカーン!と、観覧者ゴロゴロ転がし祭というスピルバーグ・リスペクトなシーンを織り込んでいます。
主役は海辺でバーを営んでいる波乗りオヤジ。別れた女房と娘を助けるため獅子奮迅の大活躍。
空から降ってくる何トンあるのか分からない大質量のサメをチェンソー1本で縦一文字に脳天空竹割り! んなアホな。
そこまでやるんだったら、ハリケーンの波に乗って海岸からビバリーヒルズまでサーフィンで移動する“キャプテン・アメリカ”な荒業を見せてくれても良かったと思います。
相変わらずアメリカ人はどのような問題に直面しても爆弾(状況に応じて核)を使えば何とかなると信じているようで、「トルネードの中で爆発を起こせばトルネードは消失する」というまるで理屈が理解できないアメリカ頭な作戦を実行。
ありえない展開の波状攻撃に神経が麻痺した頃合いを見計らって、勝手にハッピーエンドになって終わります。
地雷愛好家におすすめです。