デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

龍虎兄弟

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今にも沈みそうな移民船(密航船)。二人の子供を両手に抱える女性。

『あなたたちはまだ死にません。いつか必ず誇り高く死ねる日が来ます。その時まで生き抜きなさい』

兄の腕には昇り龍の、弟の腕には猛虎の刺青。

これは侠たちの寓話。

 

「龍虎兄弟」(2002年/OZAWA監督)


OZAWAとは勿論、小沢仁志の事。劇中では弟、猛を演じております。
兄、昇を演じるのは哀川翔

横浜中華街(漢民街)を舞台に描く、同じ父の血を引く黒会社のボス・王烈との凄絶な死闘(私闘)。

OZAWAの性格なんでしょうか、実に暗い。ジョン・ウーの映画から「気の抜ける」要素を全部とっぱらって、悲壮のミルフィーユにした感じ。

こんな2丁拳銃の使い方思いつくの、後にも先にもOZAWAだけでしょう。

兄弟が父と慕う武田組組長に、「塀の中を行ったり来たり」清水健太郎
漢民街の長老に「死神博士天本英世
兄弟を憎からず思っているヒラ刑事に「Gメン75小田切警視」夏木陽介

『(手錠なんか)意味ねえぜ』
『分かってるよ。こうしとけば(あの世で)兄弟道に迷うこたぁねぇだろ』

泣けます。さめざめと。