デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

殺人魚フライングキラー

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うむむ。
キャメロンが「なかった事」にしたがっているデビュー作をようやく鑑賞。

「殺人魚フライングキラー」

(1981年/ジェームズ・キャメロン監督)


ジョーズ」のエピゴーネンとしては「アリゲーター」と並んで「よく出来ました」と褒められている「ピラニア」(ジョー・ダンテ監督)の続編。

今回は、殺人魚がトビウオとセックスして飛行能力を身につけた、という設定。
なので、陸に逃げてもいかつい顔したピラニアがわんさか飛んできます。

実に怖い…はずなのですが…。

人物配置で「ジョーズ2」、映像で「エイリアン」を意識しているようで、その気になれば結構盛り上がるはず、なのですが・・・。

いやあ、なんちゅーかドラマが走らない走らない。

前半にダイナマイトで密漁やってる親父が出てきたので「まぁさか、最後はダイナマイトでドーンとかいう安直なオチじゃないだろうな」と思ったら、本当にそうでした。

「スウォーム」で海上におびき寄せた蜂の大群をミサイル1発で殲滅した時も「いやそれは無理ってもんだべ」と思いましたが、アメリカ人は何でもドカーンしないと気が済まない(ってか他の方法を思いつかない)ようです。

ジョーズ」のロイ・シャイダーに相当するのがランス・ヘンリクセン(「エイリアン2」のビショップ)、「エイリアン」のシガニー・ウィーバーに当たるのがトリシア・オニール。

羽つけたピラニアの模型を自分で喉に押し当てて「ぎゃー!」と叫んで死に絶える役者を見て「どこの職場も大変だなあ」という寂寞感に包まれましょう。