たとえパチもんバッタもんであっても、心に残るショック・シーンがひとつでもある映画は「良い映画」なんだと思います。
「ザ・ショック」(1976年/マリオ・ヴァーバ監督)
ダリオ・アルジェントのパートナー(当時)にして「サスペリアPart2」の準主役であるダリア・ニコロディを起用、更にゴブリン丸パクリな音楽(イ・リブラ)を流して作った、神経症ホラーです。
(※イ・リブラはイタリアン・プログレッシブ・ロック・バンド。サントラ買いましたが、メインテーマ以外はさして聴き所無しで、ちょっとがっかりでした)
素晴らしいのは、息子が母親(ニコロディ)に駆け寄ってくるシーン。
廊下を走ってきた子供が、母に辿り着いた瞬間、死んだ夫にすり替わってビックリ仰天。
別に特撮でもCGでもありません。母親の手前でしゃがんでいた男が子供の走り寄るタイミングに合わせて立ち上がっただけ。
カメラアングルの死角を利用した単なるトリック撮影なのですが、これが実に良く出来ておりまして。いや、もうこのシーンだけで、「ザ・ショック」は歴史に残ると思います。
因みに「ザ・ショック」の米国公開時タイトルは「BEYOND THE DOOR Ⅱ」。「BEYOND THE DOOR」の日本公開時タイトルは「デアボリカ」。いやあ、「ザ・ショック」が「デアボリカ」の続編って無理ありすぎだろ。