『お願いだから私の子宮に戻って!』
これは下手に共感できる立場の人が観たら自殺したくなるのではないだろうか。
「肌の隙間」(2004年/瀬々敬久監督)
母親を刺殺した引き籠もりの青年と自閉症の叔母の逃避行。
もうこの1行だけで、「親殺し」「引き籠もり」「自閉症」「近親相姦」というナイスなキーワードがてんこ盛り。
主演の不二子は全編通して「あー」とか「うー」とかしか言いません。
とにかく金も時間も人手もないピンク映画。「許可って何?」なゲリラ撮影を大展開。
段ボールマンション群の中を腹から血ぃ流してる青年背負って歩くロングショットとか「体張ってます!」って叫びが聞こえてきそうで好感度UP。
なんの説明もせず、なんの解決も見せずに唐突に終わるというのもピンク映画っぽくて良い。
「悪魔のいけにえ」を観た時のような「あー、何か俺変なもん観ちゃったよ」感満点な愛の寓話。
引き籠もり&自閉症は現代のアダムとイブか。はたまたヘンゼルとグレーテルか。