『俺の指紋は指じゃねえ。俺は今やつの体の中に俺の指紋をたんまりと残してきた。それを捨てただけのことさ』
「AGAIN」から23年。DVDはおろかビデオテープにもなっていない幻の映画を最近ようやっと観ることができました。偉いぞWOWOW。
「拳銃(コルト)は俺のパスポート」
(1968年/野村孝監督)
主演は勿論宍戸錠。相方にジェリー藤尾、ヒロインに小林千登勢(!)。
敵対する組の頭を獲った殺し屋が頼み人とターゲット双方の組から狙われるというストーリーはこの際どうでもいい。
オープニングの音楽がまるごとマカロニ。モノクロの画面の中に渋いにも程がある男と女。
ご都合主義を徹底的に排除した演出。どっしり構えたカメラ。何もかもが素晴らしい。
日本映画もこんなハードボイルド撮ってた時代があったんですねえ(遠い目)。
今映画化するとしたら役者は誰になるんだろう。
主演に竹内力(要減量)、相方に遠藤賢一、ヒロインに勝村美香、討手の殺し屋に美木良介、監督は三池・・・ああ「烈火」じゃねえか。
余談ですが、同じ日にテレビで「ボーン・スプレマシー」を観たら酷いのなんの。いくらなんでもカット割りすぎだろ。駅構内の逃亡(追跡)シーンなんか、手持ちカメラをわざと揺らしてアップのショットを細かく繋いでるもんだから疲れる疲れる。作ってる奴らは「スピード感が出た」とでも思っているのでしょうが、追う者と追われる者の位置関係がさっぱり分からないのでまるで緊迫感が伝わってまいりません。もちっと落ち着けよ。
※参考:「実録・安藤昇侠道伝 烈火」→2008年2月9日
「AGAIN」→2008年3月7日