その出自を辿れば「トゥルー・ロマンス」と義兄弟、いや一卵性双生児の関係にあるはずなのですが、流石オリバー・ストーン、タラの原案を塵も残さず叩き壊して100%俺様映画にしちゃいました。
(1994年/オリバー・ストーン監督)
お話は、ノリと勢いで52人を景気良く殺した史上最凶のカップル、ミッキー&マロリー(ウディ・ハレルソン&ジュリエット・ルイス)の波乱万丈の物語、
なのですが、まあ一言で言えば「狂った」映画です。
とにかく情報量がタウンページ並み。8mm、16mm、35mm、ビデオ、カラー、モノクロ、アニメ、記録映像、スライド合成などが、ぐっちょんぐっちょんに入り混じって、もはや映像の闇鍋。
「エニィ・ギブン・サンデー」にも、パチーノの台詞と「ベン・ハー」の戦車競争の映像が混ざり合うという「気の触れた」シーンがありましたが、こっちは全編アレ。
BGMもロック、オペラからパキスタン音楽まで75曲をコラージュした「世界歌謡祭」。
DVD特典のオリバー・ストーン音声解説には、「ここはミッキーの心象風景」「こいつは守護天使」「このライトの色はマロリーの感情」「親殺しのシーンはトムとジェリーを参考に」など、実に有意義な(?)妄想、じゃなくて講義が収録されていてタメになります。
「ただの暴力映画だ!」という人もいますが、ただの暴力映画だから素晴らしいんじゃないですか。
★ご参考