『エディ・ヴァン・ヘイレンを見たよ。ハリウッドボウルで』
『どんなだった?』
『ゾンビだった』
タイトルの通り、ゾンビが出てくるお話ですが、所謂ゾンビ映画だと思って見ると脚本の穴(ガソリン潤沢、銃弾無尽蔵、食料底無し)が気になって楽しめません。
これは、引き篭もりで慢性下痢腹で童貞でグッピー並みの度胸しか持ち合わせていない青年が、他人と接することで大人の男になっていく成長の物語なのです。
理由無し・原因不明でとにかく地上はゾンビだらけ、という与件で本編スタート。
引き篭もりの大学生コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は自ら考案した“生き残るための32のルール”に従い行動していましたが、周りに生肉喰う奴しかいなくなったので故郷に帰る事を決意。
途中、ゾンビ殺しを天職とするタフガイ、タラハシー(ウディ・ハレルソン)と出会い、更に美人詐欺師姉妹ウィチタ&リトルロック(エマ・ストーン&アビゲイル・ブレスリン)が合流、4人はゾンビがいないという伝説の楽園を目指しますが・・。
“好きな女の子の髪をかきあげたい”というささやかな夢がイスカンダルより遠い所にあるオタク青年が、父のようなタラハシーに守られながら、美人二人と旅をする・・これが桃源郷でなくて何でしょう。
自ら課したルールを自ら破る時、一皮剝けた男になる。ゾンビはその通過儀礼のための小道具に過ぎません。
個人的イチオシは、やはりタラハシー役のウディ・ハレルソン。
「スターウォーズ」以外の作品でマーク・ハミルを観ると妙に嬉しいのと同様、「ナチュラルボーン・キラーズ」以外の作品でウディ・ハレルソンを観ると嬉しくなってしまいます。
明らかに弾の数以上のゾンビを屠っていますが、彼なら1発で3体は倒すでしょうから計算は合っています(笑)。マガジン・チェンジかっちょええ~。
“あの”エピソードにうるっと来るのも、タナハシーがカッペ丸出し・短気でガサツなキャラだからこそ。
事ある毎にルールが字幕(CG)表示されるのも結構ツボ。BMのゲスト出演は知らずに観ていたので、ちょっとびっくりでした。
※ハードなゾンビ物を観たい人は・・
※社会風刺の効いたゾンビ物がお好きな人は・・