タイトルだけ見ると、“現代版・黒い絨毯/マラブンタ大襲来”みたいなものを想像しちゃいますが、中身は何と“2001年砂漠でアンドロメダ/ナショナル・ジオグラフィック編”でした。
「フェイズⅣ/戦慄!昆虫パニック」(1973年/ソール・バス監督)
VHSは香ばしい価格になって、国内版DVDは出る気配も無し。仕方がないので輸入版DVDを取り寄せました。
天体異変(便利な口実だなぁ)の影響で知性を持った蟻が誕生。種族間抗争を終結して大増殖。
砂漠の真ん中に多塔四角柱(写真・中)やミステリー・サークルが突如出現。原因を探るため二人の科学者が砂漠に建てられたドーム型の研究施設へ。
監督は、「2001年」や「アンドロメダ」あたりを踏まえつつ、「アンダルシアの犬」からもイメージを引用。シュールかつ深遠な哲学SFを目指したようなのですが、見所は何と言っても蟻。
どうコントロールしたのか知りませんが、完璧に演技しています(しかも超マクロ接写だよ)。
蟻の大群に包囲された研究所がケミカル・ダスト噴霧で殲滅を図りますが、何と生き残った蟻がこのベイト剤のかけらを咥えて移動。
毒なので当然途中でお陀仏。すると次の蟻が咥えて移動。息絶えるとまた別の蟻が。
死のリレーによって巣に運ばれたベイト剤を女王蟻が食して産卵。毒への耐性を備えたハイブリッド蟻が誕生。
少ないにも程がある登場人物(科学者二人と蟻の襲撃を生き延びた少女。以上おしまい)が狭いにも程がある移動空間で蟻と知恵比べ・・。
動物パニックものを期待すると脱臼しそうな肩透かしを喰らいますが、インテリジェント蟻と人間の共存(?)を示唆する展開はある意味壮大。
日本版DVD出してくんねえかなあ(追記:後日出ました買いました)。